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今回は湘南ベルマーレを中心としたWEBマガジン「縦に紡ぎし湘南の」からアンドレバイア選手に関する記事になります。


【コトノハ】アンドレバイア「人間はつねにいまの自分を乗り越えようとする本能を持っている」(縦に紡ぎし湘南の)
2015年09月02日

前節のG大阪戦、序盤に先制を許した湘南だったが、時間の経過とともにじりじりと相手ゴールに詰め寄った。試合終了間際にはアンドレバイアも際どく枠を狙った。
「ガンバはリトリートして後ろを固めてカウンターを狙うやり方で試合を進めていました。そのため中盤のスペースが空いていたこともあり、自分もリスクを冒して前に出た。射程内に入ってシュートを打つこともありました」

ゲーム全体をあらためてこんなふうに振り返る。

「サッカーのスタイルや連戦のコンディションの問題もあってガンバが意図的に引いていたため、一方は守り、一方は攻めるという展開になっていました。思いがけない形で立ち上がり早々に失点してしまい、そのあと自分たちがより相手陣地でプレーすることができて何度かチャンスもありましたが、相手GKに阻まれてなかなか得点に繋がらなかった。GKの巧さもあると思いますが、最終的に点を奪うことができなかった」

かの試合ではパスの成功率で相手にまさるなど、敗れこそすれ前向きな要素も少なくない。
「勝ったときにも課題は出るし、負けたときにもプラスのポイントは出てくると思うので、どんな試合でも一戦一戦、つねに学ぶことはあると思います。今回パスの成功率が相手を上回ったという点は今後の試合に活かしたいし、あとはそれをどう得点に繋げるかを考えていかなければいけない。たとえばラストパスをもっとアグレッシブに狙うとか、得点機を演出することをさらに意識しながら取り組んでいかなければいけないと思います」

ところで、フィジカルトレーニングなどを通じ、バイアの非凡なスプリント力が垣間見える。「いままでそういう力を活用することがあまりなかったので、自分の持っているそういう潜在能力を私自身知らなかった」と語る。
「オランダやトルコでプレーしていたときも速い選手はたくさんいましたが、日本の場合はそれだけでなくみんな敏捷性を備えている。来日する前はその点で自分がついていけるか、未知数のところが正直ありました。でも、満足というわけではありませんが、自分のなかでついていけているという現状がある。チームのサッカースタイルや練習の内容などによってそういう部分が要求され、要求されているうちに体が反応して動けるようになったのかもしれません。人生において人間はつねにいまの自分を乗り越えようとする本能を持っているので、自分としては私の足が速いというよりも気持ちでやっている感覚です」

ついていけているけれど余裕はあまりないと、悪戯っぽく笑いながら、「それはすごくうれしい」と、ベルマーレのサッカーを通して新しい自分に出会っている喜びを口にする。

今季リーグ戦は残すところあと8試合となった。
「悔いのないサッカーをして、それによって自分たちのやろうとしていることが結果に繋がって、思い残すことのないかたちでシーズンを終えることができればなによりもいいと私は思っています。残り8試合ということももちろんありますが、チームとしていままでやっているように、向上心を持って一戦一戦に挑むことがなにより大事。湘南はノンストップフットボール、だからこの先も止まることはないですね」

チームも個々も、いまと向き合い、乗り越えようとしている。これまでもこれからも、その歩みは止まらない。

reported by 隈元大吾


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