「35歳過ぎて結婚できた男性はわずか3%」。2010年の国勢調査でこんな衝撃的な結果が出た。ネット上では「身を持って感じている俺…」「昔ほど結婚生活にメリットがなくなっているんだから当然」など、さまざまな意見が飛び交っているが、なぜこうも「結婚できない(しない)大人」が増えてしまったのか。

「みんな自分の相場が分かっていない」

2010年の国勢調査によると、2005年に35〜39歳だった男性の未婚率は30.9%、5年後、40〜44歳になったときの未婚率は27.9%で、未婚男性の9.7%しか結婚に至らなかった。5年間で「3%」でしかないということになる。

女性も同様で、05年に35〜39歳だった人の5年後の結婚率は、未婚女性の10.8%、2%しかゴールインできなかった計算だ。40歳を超えると、状況はますます悪化する。男性は全体の0.4%、女性は0.5%で、45歳以上では、男女とも全体の0.1%しか配偶者を見つけられなかった。晩婚化というより、35歳を過ぎてからの結婚は、男女ともに不可能に近いことが分かる。

結婚コンサルタントの大橋清朗氏は、結婚氷河期に至った理由について「昔に比べて独りでいることに世間も寛容になったなど、時代の影響も大きい」としたうえで、最近の35歳以上の未婚男女には大きな特徴があると話す。

「35歳を過ぎて結婚していない方の多くは、20代に恋愛よりも趣味や仕事に没頭した方です。いままで交際した経験が少ない分、自分が見えていない方が非常に多い。男性なら、若くてかわいい女性を、女性なら、年収が高くてイケメンなど、自分よりスペックの高い方を求める傾向にあります。結局は『自分の相場が分かっていない』のです」

彼らの多くは自分を過大評価する傾向にあり、なかなか「妥協」をしない。うまく交際に発展するときは、お互い釣り合いが取れている場合が多いが、「この人と結婚するくらいなら1人でいい」と、せっかくのチャンスを放棄するそうだ。

すべては、趣味など個での楽しみに時間を費やした経験不足が招く「勘違い」だが、自分の価値に気付き焦って婚活をスタートしても、男性の場合、こんどは「年収」がネックになる。

男性で「収入が平均以下」はかなり厳しい

結婚相手を見つける場合、お見合いや婚活パーティーが近道だが、そもそも「知らない人の中から相手を選ぶ」システムなので、どうしてもスペック(年収など)が重要視されてしまう。「35歳以上&平均年収以下」となると、条件的にかなり厳しい。

反対に、ハートや人間性で勝負しようとした場合は、それこそコミュニケーション力がモノを言うので、経験が少ないと、どうアプローチしていいか分からず結局最初でつまずいてしまうのだ。

「いつか結婚できるんじゃないかというのはもはや幻想です。データを見ても分かるように、35歳を過ぎて結婚するのは超難関大学に入るより狭き門だと早く気付くべき。夢のない言い方ですが『就活』と一緒なんです」

大橋氏のご託宣はにべもない。

ネットでは「そもそも結婚なんてしたくない」という意見もたくさん出ているが、2010年の「結婚と出産に関する全国調査」によれば「いずれ結婚するつもり」と答えた人は、男女とも86%を越えている。「したい」と思っている人は多いのだから、35歳を越えたら、一刻も早く動き出すことが結婚への近道のようだ。