万引き犯の顔を公開するか否かで物議を醸した中古品販売店「まんだらけ」。漫画古書、アンティークトイ、フィギュア、アニメグッズなど、常時一千万点を揃える日本最大の「オタクデパート」だ。北海道から福岡まで11支店。昨期売り上げは94億円だ。

現場の中野店には、40〜50代の童心をくすぐるグッズが立ち並ぶ。今回の犯人は50歳。ターゲットは中年世代かと思いきや、「じつはメインのお客様は20〜30代なんです」と、広報の中村勝也さんが話してくれた。

「お金を自由に使える独身男性が多く、最近だと女性コレクターも増えています。20〜30代で売り上げの約半分を占めますね。報道で『いい宣伝になっただろう』と言われますが、コレクターの需要に絞ったマニア向け店舗が多く、事件後の売り上げは昨年と比べて、
ほとんど変わっていませんよ」

まんだらけで販売されている、超高額アンティークトイにはこんなものがある。

【マスダヤ/マシンマン(GIANT MACHINE MAN)】550万円
’50年代、玩具メーカー増田屋が80体製造。そのほとんどが販促用・試供品としてアメリカの富裕層に向けて配布されたため現存数が少ない。増田屋の社長がニューヨークで1千万円で落札し話題になった。

【マルザン/リモコンゴジラ極彩色(箱つき)】250万円
’67〜’68年製。総生産個数は80個という希少品。スイッチONで腕を振りながら二足歩行する。

【マルサン/ウルトラマン電動ブリキ(箱つき)】250万円
’66年製。当時の価格は1200円。日本初のプラモデルの生産、またウルトラシリーズの怪獣ソフビ販売などを手がけた玩具メーカーマルサン製。この金型は後にキャプテンウルトラ、ウルトラセブンにも使われている。

【ポピー/超合金マジンガーZ1期(箱つき)】210万円
’74年に始まる超合金シリーズのなかでも最高峰の呼び声が高いマジンガーZの1期。両肩のロケットパンチ発射スイッチを備える。商品状態がよく、ほぼ未使用品のため高額。

【ポピニカ/DX NEWゴッドフェニックス火の鳥ver】220万円
’78年に発売された科学忍者隊ガッチャマンIIの限定版火の鳥バージョン。取説・ミニカタログ・パーツも付属。本体も大きな痛みがなく、保存状態がよい。

件の「鉄人28号」は25万円。その10倍以上の高額商品の数々。高級車よりも高いおもちゃが成り立つ、驚きのビジネスモデルがそこにはあった。

(週刊FLASH 9月9日号)