一般的なサラリーマンの家庭ではだれでも、収入が増えると支出を増やし、収入が減ると支出を減らすといった具合に、収入と支出のバランスをコントロールしているはずだ。このやり方を定年後の資産運用と組み合わせて、資産の取り崩し方法を上手に使い分ければ100歳まで老後資産を延命させることが可能になるのだ。

まずは老後期間を2つに分けて
資産の取り崩し方法を変えること!

 長生きした結果、資金が枯渇するのは避けたいが、死ぬ時に資産を持ち過ぎていても意味がない。いったい退職後のお金は、どのように使っていけばよいのか。

フィデリティ退職・投資教育研究所所長の野尻哲史さんは、老後の期間を2つのステージに分けて、75歳までの前半は一定の割合でお金を使いながら運用も行ない、75歳以降の後半は一定の金額を使っていくという方法を挙げる。

「退職時に、老後に必要なお金をすべて準備するとなると、非常に多額になってしまいます。ですが、『毎年4%を引き出しながら3%で運用する』といった期間を設けることで資金の減りが緩やかになり、60歳時点で準備すべきお金を減らすことができます」

 老後資金を運用しないで60歳から定額で取り崩す場合に比べて、この方法なら60歳時点で準備する資金を1000万〜2000万円程度は楽に減らすことができるのだ。

運用の結果によって使うお金の
金額を毎年変化させることが大切!

 この取り崩し法で重要になるのが、前半のステージでは必ず「定率」で取り崩すこと。その理由は、収益率のブレによる元本部分の減りを防ぐためだ。

「国内外の株と債券に分散投資すれば、15年間で平均3%の運用は十分可能です。問題は引き出し方です。運用開始時から最初の数年にマイナスが集中した場合、定額で取り崩していると想定以上に元本が減り、その後、収益率が改善しても元本の回復が難しいからです」

 「定率」であれば、収益が落ち込んだ際は引き出し額も減るので、元本が減るリスクをある程度コントロールできる。

 「ただし75歳以降になると、運用結果で引き出し金額が変わることに対応するのも大変です。そこからは100歳の時点で資産がゼロになるよう逆算して『定額』で引き出していきます」

 取り崩し方法を工夫すれば100歳までのお金の確保と、60歳時点での準備資金を減らすことが可能になるのだ。

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