ネットやテレビでよく見かける、市販のお菓子を使ったアレンジレシピ。うまい棒をパスタに絡めて「なんちゃって明太子パスタ」にしてみたり、プリンをパンにくるんで「なんちゃってクリームパン」にしてみたりと、そのアレンジ精神(あるいはチャレンジ精神)には目を見張るものがあります。

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しかし、これらのアレンジレシピは本当においしいのでしょうか? 普段食べているお菓子たちが姿を変えるという面白さに気を取られて、きちんと味の評価をした記事をなかなか見かけることがありません。そもそも、本来完成されたかたちであるはずの市販のお菓子を、粉々にまでして食べる価値があるのでしょうか?

そこでこの記事では、世にはびこる「お菓子を使ったアレンジレシピ」を実際に調理し、その味と存在意義を調査してみたいと思います。公正を期すため、作った料理は一般の試食モニター3名の方にも食べてもらいました。感想と合わせて5段階で味の評価をしてもらったので、その結果にも要注目です!

■うまい棒で作る「なんちゃって明太子パスタ」

まず始めに調理したのは、うまい棒で作る「なんちゃって明太子パスタ」です。材料と手順は以下の通りで、基本的にうまい棒を砕いてパスタと絡めるだけなので、とても簡単に作れます。

【なんちゃって明太子パスタの材料(1人前)】
・うまい棒 明太子味……2本
・ パスタ……100g
・ 刻み海苔……少々
・ マヨネーズ……少々

【なんちゃって明太子パスタの調理手順】
1、たっぷりのお湯でパスタを茹でる。
2、ボウルにうまい棒を2袋空け、粉末状になるまですりつぶす。
3、ゆで上がったパスタのお湯を切り、粉末状になったうまい棒を絡める。
4、マヨネーズをふた回し程度入れ、よく混ぜて皿に盛り付ける。仕上げに刻み海苔をまぶして完成。

調理に要した時間は10分程度。これだけ簡単なら、わが家の手抜きレパートリーの一品に加えたいところです(味さえ良ければ)。しかし、完成したパスタからはうまい棒の香りが強烈に漂ってきます……。見た目も明太子パスタと比べるとケミカルな色味なのが少し不安です(笑)。

さっそく出来上がった料理を3名のモニターに試食してもらいました。感想は以下の通り。

【試食者の感想と味の評価】
★★★☆☆「これはこれでアリ。でも何かが足りない」

★★☆☆☆「これは明太子パスタではないよね。まったくの別物じゃない?」

★★★☆☆「まぁ、これはこれでアリだよ。でもバターとか入れたら味がまとまっておいしくなりそう」

3名中2名が「これはこれでアリ」とあやふやながら一定の評価を下したものの、やはり本物の明太子パスタとは味がかなり違うようです。総じてみんな微妙な顔をしています。そしてモニター勢の結論は「うまい棒はそのまま食べるのがベスト」という意見に落ち着いていました。うーん、なかなか厳しい!

■プリンをパンにくるむだけ! 2ステップで作れる「なんちゃってクリームパン」

お次は市販のプリンをサンドイッチのパン生地に包むだけでできる「なんちゃってクリームパン」を作ります。こちらも先ほどの「なんちゃってパスタ」に負けず劣らずの超簡単レシピ。調理に要した時間はわずか10分程度でした。

【なんちゃってクリームパンの材料(1個)】
・ プリン……大さじ1程度
・ サンドウィッチのパン生地……1枚

【なんちゃってクリームパンの調理手順】
1、サンドウィッチのパン生地にプリンを大さじ1程度のせ、ラップで包んで丸める。
2、5分後、ラップからパンを取り出し、2〜3分トーストして完成。

見た目は想像以上に地味ですね(笑)。お味の程はどうでしょうか。

【試食者の感想と味の評価】
★★★★☆「トーストしたパンの中でプリンがとろけておいしい!」

★★☆☆☆「味が薄い。もっとプリンが多く入っていないと……」

★★★☆☆「普通においしい。でも、プリンと一緒にバターを入れたらもっとクリームパンに近づきそう」

3名中2名が少し物足りない印象を受けたようです。パンの中に入れるプリンの銘柄によっても味がかなり変わるので、作る際にはプリン自体にこだわってみるといいかもしれません。

プリンはそのまま食べてももちろんおいしいですが、これだけ簡単にできる「なんちゃってレシピ」なら、3時のおやつに作ってみるのもアリですね。大きさもひと口サイズなので、小さいお子さんに食べさせてあげても喜ばれそうです。

■ミッキーマ○スを粉々にして作る「なんちゃってチョコクッキー」

ディズニーキャラクターのイラストが書かれたチョコビスケットお菓子「パックンチョ」。子どもに大人気のこのお菓子を使って、簡単に手作りチョコクッキーが作れるのはご存じでしょうか? 「手作りのお菓子を作りたいけれど、手間をかけたくない!」というバレンタインデーやホームパーティーのときには活躍してくれそうです。

ただし、かわいいディズニーキャラクター達を粉々に砕かなければならないので、ディズニーファンの方は少し心が痛むかもしれません(笑)。

【なんちゃってチョコクッキーの材料(3枚分)】
・ パックンチョ……1箱
・ 牛乳……小さじ1程度

【なんちゃってチョコクッキーの調理手順】
1、パックンチョを砕いて粉末状にする。
2、粉末状になったパックンチョに牛乳を入れてよくこねる。
3、生地を適度な大きさに丸めて、170度のオーブンで15分焼き上げて完成。

おお、これは本格的です。元がパックンチョとは思えないほど、ちゃんとしたクッキーに焼き上がりました! これは味も期待できそうです。試食モニターの方々の感想はどうでしょうか。

【試食者の感想と味の評価】
★★★★☆「おいしい! 思ったよりも甘くないのがいい。でもパックンチョはパックンチョとして、そのまま食べたいかも……」

★★★★☆「パックンチョをクッキーにするって、なんだか本末転倒な気がするけれど、味はおいしいと思う。焼きたてのクッキーを食べたいときにはいいかも」

★★★★☆「おいしいけれど、バターとか入れたらもっと味がまとまると思う」

3名全員から「おいしい」との評価をいただけました! 作り方もとても簡単なので、手軽に焼きたてのクッキーを食べたいときにおすすめです。チョコが大量に入る印象ですが、想像よりも甘さ控えめでヘルシーな印象。温かいうちに食べるのもポイントだったようです。

じゃがりこにお湯を入れるだけ! 30秒でできる「マッシュポテト」

最後に紹介する「なんちゃってレシピ」は、コンビニでもおなじみのジャガイモのお菓子「じゃがりこ」を使った「なんちゃってマッシュポテト」です。なんとこの料理、じゃがりこにお湯を入れてひたすら混ぜるだけという簡単すぎるレシピなのです! 

「お湯を入れるだけなんて、そんなにうまいこといくわけないのでしょ?」という半信半疑な思いを抱きながらも、調理してみました。

【なんちゃってマッシュポテトの材料(1人前)】
・ じゃがりこ(好みの味)……1箱
・ お湯

【なんちゃってマッシュポテトの調理手順】
1、 じゃがりこの頭が1センチ出る程度までお湯を入れる。
2、じゃがりこがマッシュポテト状になるまでよく混ぜる。

完成した「なんちゃってマッシュポテト」は見た目も香りも本物そっくり! これは味の方もかなり期待できそうです。

【試食者の感想】
★★★★☆「ホクホク感が少し本物には劣るけれど、味も食感もマッシュポテトそっくり! すごい!」

★★★★★「ご飯のサイドメニューとしても十分に通用するくらい食感と味がしっかりしている」

★★★★☆「本物そっくりでビックリ! でもバターとか入れたらさらにおいしくなると思う」

これはかなり好評!! ちょっと手間をかけてベーコンなどを入れると、もはや元がじゃがりこだったとは思えないほどの仕上がりです。晩ご飯のおかずとしても十分通用しそうですね。じゃがりこのアイデンティティーである、あの食感を犠牲にしてでも作ってみる価値はありそうです。

■総評

今回作ったすべての料理で「バター感の足りなさ」を指摘する声が挙っていたのは非常に興味深いです(笑)。これはもしかすると、ちょっぴり物足りない味の「なんちゃってレシピ」でもバターを加えるだけで、かなりおいしくできるということかも……? 

ご興味のある方は、ひと手間加えた3時のおやつや、ちょっとしたホームパーティーでぜひ試してみてください。