<NPO×地域活性×コミュニケーション>
日本には有人島が約430箇所存在するが、それら有人島の多くが現在過疎問題に直面しているという。そこで今回はそんな離島などの“僻地”の地域活性に取り組んでいる村おこしNPO法人ECOFF(エコフ)の活動を紹介する。

<ECOFFとは? − 僻地を元気に!!>

ECOFFは学生を対象にした農林漁村へのボランティアツアーを企画・実施したり、日本の国産材の保護・振興に向けてヒノキを有効活用した商品の開発・販売などを手掛けたりしている地域おこしのNPO団体だ。ボランティアツアーと一口に言ってもさまざまな形があるが、ECOFFのツアーの特徴は行き先が離島などの“僻地(へきち)”であること、滞在中のスケジュールを事前に決めていないこと、そして特別な技能が無くとも誰でも役に立てる内容であることなどが挙げられる。



日本全国には過疎地域が数多くあるが、ECOFFではあえて“僻地”に限定し、トカラ列島を中心に中之島(鹿児島県)、宝島(鹿児島県)、口永良部島(鹿児島)、屋久島(鹿児島県)、やんばる(沖縄県)、四万十川(高知県)の6か所にてボランティアツアーを実施、現在までに約200名が参加している。また従来は南西諸島が中心だったが、それ以外の地域でも展開すべく現在佐渡島での実施に向けて準備を進めている。

<コミュニケーション活動 − 地域の実情を発信することが地域活性の第一歩>

ECOFFのボランティアツアーは10日間と短期間だ。さもすると10日間では短すぎるのではないかと思うかもしれないが、まずは地域貢献の“きっかけ”をつくるのがボランティアツアーの目的だと言う。つまりその土地に実際に足を運び、そこで現地の人と交流したり仕事を手伝ったりしながら地域の実情を体験し、そしてその体験を周囲の人に伝えていく、ECOFFではそのためのツアーを運営しているのだ。



そして地域の実情を発信するにあたっては、参加者からの口コミはもちろんのこと、ツアー実施時には毎日参加者にレポートを書いてもらってリアルタイムで団体サイトに掲載したり、また団体職員がコンテンツを作る際は、周囲の学生に随時ヒアリングをしたりしながら、ツアー参加の潜在層である学生にとって刺さるための文章の書き方や画像の使い方を意識するなど、“リアリティ”“空気感”を大切にしたコンテンツづくりを進めている。



一方で現在は団体サイトを中心にした発信にとどまっているが、コンテンツの拡散力や学生たちの口コミ力という点を考慮すると今後はSNSの活用を強化していきたいと考えている。また日本には有人島が約430箇所あるが、現在これらの情報が網羅されたものは書籍のみでWEB上には存在しない。そこでECOFFではこれら情報を取りまとめるとともに、島愛好家が交流できるようなサイトを立ち上げることも検討しているとのことだ。

<今後の方向性 − キーワードは「地域国際化」>

このように従来は国内の大学生を中心に地域活性に対する意識啓発や関心喚起を図ってきたが、なにも国内に限る必要はなく、外国人に日本の地方を体験してもらうことも有効であるとECOFFでは考えている。そこでまずは鹿児島や沖縄に近い台湾に拠点をつくり、ボランティアツアーに参加したいという現地の学生を募るべく現在準備を進めている。

「海外から日本へ集客したり、逆に日本人が海外の地域活性化に取り組んだりするなど、国内だけで考えるのではなくグローバルな視点で活動を広げていく、つまり『地域国際化』をキーワードにしながら今後も様々な取り組みを進めていきたいと思います。」(宮坂大智代表)

数十年後には日本だけでなく世界各国で過疎化が進むと言われているなかで、ECOFFが唱える「地域国際化」がどう進められていくのか、今後の展開に注目したい。

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