NHKの朝ドラ「あまちゃん」人気も手伝って、ご当地アイドルが熱い。

以前、コネタでも、50〜70代女性の新潟農家ユニット「ライスガールズ」を紹介したが、とかく個性派ぞろいの昨今のご当地アイドルたち。そんな中にあって、コンセプトの面白さで注目を集めているのが、筆者の故郷でもある山梨県発の農業アイドル「ぶどう党」だ。

AKB48が会いに行けるアイドルなら、ぶどう党は「一緒に農業できるアイドル」、略して「農ドル」。ぶどう栽培に本気で取り組みながら、農業の良さや山梨の良さをPRしている。

説明するまでもなく、ぶどう党のネーミングの由来は山梨が全国1位のぶどうの名産地であることから。ただ最近は、農家高齢化や過疎化といった問題も抱えており、耕作放棄地率も高い。そこで、少しでも若者に農業に興味をもってもらい、ひいては担い手として誘導したいという思いから、山梨県が推進する「やまなし企業の農園づくり」の一環として2012年4月に結成された。

“一緒に農業できる”と謳うだけあって、ファンと一緒に山梨で農作業をするイベントやツアーもこれまでに4回実施しているそうで、
「参加者の多くは20代〜40代の男性ですが、最近女性ファンや地元山梨のファンも増えてきました」
と担当者。そのほかにも山梨果樹試験場や青年農業士会の畑で定期的に農作業を手伝ったり、地元の小学校や高校で食育授業をしたりと、地域活性化のための活動に積極的に取り組んでいる。

結成当初のメンバーは2名だったが、その後、メンバーも変遷。現在は、初期メンバーでアイドルとしての活動実績もある森田智沙さん(ちいちゃん)を中心に、山梨県出身の青嶋あかねさん(あっちゃん)と加藤有美さん(あみみ)、さらに松原有伽さん(ゆっち)の4名で活動している。ちなみにメンバーの選出基準は、「ぶどうが好きなこと」と「農作業をがんばれる体力があること」だそう。

「山梨や農業が盛んになって担い手が増えることに期待を寄せてくださる方が多く、応援してくれています。山梨のイベントに出演すると、老若男女問わず声援をいただきますね」
と担当者も手応えを感じている様子。「農業アイドル」というコンセプトが注目されてメディアに取り上げられることも多いという。

メンバーのひとり、山梨出身で現役高校生のあっちゃんこと、青嶋あかねさんにメッセージをいただいた。
「山梨は東京から近いのに、自然豊かで果物や野菜が美味しいところです。その魅力を県外の方へ伝えられるように、農業を学んで、イベントにもたくさん出ていきたいです!」

イベントなどの最新情報は公式Twitterで配信中。山梨県内での活動以外には、東京・秋葉原の「ネ申タワー」でも定期的にライブをおこなっているそうだ。

私自身、実際にメンバーにも会ってみたのだが、明るく人懐こい笑顔が本当にかわいらしい。彼女たちと遠足気分でワイワイ農作業体験をするのはさぞ楽しいだろうなあ……なんて、勝手に想像してしまった。

アイドルと一緒に農作業。初めての人でも、ぶどう党がやさしく教えてくれるので、大丈夫だそうですよ!
(古屋江美子)