靖国神社に放火目的で侵入したとして、放火予備と建造物侵入の罪に問われた韓国籍のカン・ヨンミン被告に対する初公判が2日、東京地裁で開かれた。カン被告は「危険な行為を深く反省する」、「日本の国民の怒りを買い、申し訳ない」と謝罪した。

 9月21日に韓国から入国したカン被告はトルエン入りのペットボトルやライターを所持しており、警視庁は建造物侵入の疑いで逮捕した。カン被告は逮捕当時、韓国外務省関係者に対して、「日本が歴史をわい曲し、妄言を繰り返すので腹が立ち火を付けようとした」と話した。

 靖国神社をめぐる問題で韓国と足並みを揃える中国でも、カン被告の初公判は注目を集めた。中国大手検索サイト百度の掲示板を覗いてみると、中国人ネットユーザーたちからは、

 「謝罪するのか? がっかりだ」 「男なら謝ってはいけない」  など、謝罪したことを非難するコメントが寄せられた。謝罪するくらいなら最初から放火しようとするなということだろう。しかし、カン被告の謝罪は日本国民に向けたものではないとの推測もあり、

 「計画が失敗に終わったことを謝罪したのではないか」 「この韓国人はもう国へ帰れないんじゃないか」

 と、韓国国民向けの謝罪だったのではないかとの見方もあったほか、カン被告の行く末を案じる意見も見られた。カン被告は日本の政治家による靖国参拝に反対するために放火を企てたわけだが、失敗して逮捕されたうえに謝罪してしまっては、韓国同胞には受け入れてもらえないということだろう。もちろん、中国にも反日青年は非常に多くいるが、

 「わが国はまだ理性的だな。“君子は道理で人を承服させ暴力には訴えない”ということだ。わが国はいつも強く抗議するだけだからな」

 と、中国政府が何かにつけて抗議や譴責を表明するだけであることを揶揄(やゆ)したコメントもあった。今回の公判で検察側は懲役3年を求刑したが、弁護側は深く反省していることや前科がないことを考慮し、執行猶予付き判決を求めている。判決は12月26日に言いわたされる。(編集担当:畠山栄)(イメージ写真提供:(C)Hirotaka Ihara/123RF.COM)