韓国国内で食品の放射能汚染に対する恐怖心が高まるあまり、水産物だけでなく「日本産」全般にまで不信感が広がっていることが分かった。

韓国メディア「ノーカットニュース」によると、同国の大手清涼飲料水メーカーが販売するウォーターサーバーは、日本製のフィルターを使していた。本来なら何も問題ないことだが、東京電力福島第1原子力発電所の事故を受けて食品の安全性を不安視する傾向が高まっていることから、これが大きな波紋を広げた。

同メーカーのウォーターサーバーを使用して5年目という男性は、メーカーに放射能検査を実施しているのか問い合わせた。するとメーカー側は、「独自の検査は行っていない。日本の厚生労働省が承認したフィルターなので問題ない」と答えたという。だが男性はフィルターに不安を感じ、ウォーターサーバーを処分することに決めた。

メーカー側は、フィルターを製造する日本の企業は福島県から遠く離れており、日本国内で検査を受けているので放射能汚染の心配はないと説明している。しかし、韓国人の不安は解消されるどころか、増大するばかり。ウォーターサーバーを使用する別の男性は、「日本人も福島だけでなく全地域の農産物、加工品を心配しているそうじゃないか」と不信感を募らせたという。

韓国ではこれまで放射能汚染を懸念する対象は主に水産物だったが、最近は徐々にその範囲が広がりウォーターサーバーのフィルター、カメラ、おむつ、加工食品にまで至る。

韓国政府は9日から、福島など8県からの水産物の輸入を全面的に禁止しているが、国民の放射能汚染に対する漠然とした不安は払拭できていない。同メディアは記事で、韓国政府は国民の不安感を解消させる効果的な対策を早急に講じる必要があると指摘した。

・参照:ノーカットニュース
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