■後半戦で積み重ねられた勝ち点
J2の2012シーズンが終盤に突入しようとしている。ここまで全力で走り続けてきた松本山雅FCにとって記念すべきシーズン、チームは現在のところ『健闘』と呼んで良い位置につけている。残念ながら天皇杯は京都に一敗地に塗れ、3回戦進出は為らなかったものの、リーグ戦は9月18日現在、11勝11敗12引き分けでここまで積み上げてきた勝ち点は45で、順位も13位。昨シーズンはJ1で戦っていた福岡、一桁順位(9位)だった草津よりも上位につけているのだから、ここまでの結果はサポーターも納得のいくものであろう。
特に目につくのが後半戦以降の戦績だ。7月からの13試合を5勝2敗6引き分け(勝ち点21)。勝きれない試合もまだまだ散見されるが、勝ち点ゼロの試合を2つにとどめるなど、しぶとく勝ち点を拾うことに成功している。反町康治監督も「7月、8月の暑い時期にチーム力の差が出てくる。上に行くチームはこの時期に結果を出す」と語るように、暑さや過密日程で消耗しがちとなるこの季節だ。
それまではモチベーションも高く、新鮮な気持ちでプレーを続けていたJリーグ初年度のチームが溜まった疲労からずるずると調子を落としがちとなるのが8月だ。しかしチームは遂に無敗で乗り切ったことで順位を維持することに成功。この中位のポジションを落ち着くことが出来た。指揮官は更に上の順位を目指し、まずは『一桁順位』を目指すことを宣言している。
■連携面が飛躍的に向上
開幕からチームの骨格は大きく変わってはいない。システムも試合状況や対戦相手とのミスマッチを防ぐために途中から微修正することもあるが、基本線はあくまでも3-4-2-1だ。開幕序盤は選手個々のスタイルやパーソナリティーを把握するのに時間がかかった、と指揮官は吐露するが、時間が経つにつれて顔ぶれも固まり、連携面も飛躍的に向上。攻守において形が生まれてきた。
1トップに塩沢勝吾、2シャドーには船山貴之と弦巻健人が置かれ、ファーストディフェンス或いは二度追い三度追いを精力的に続け、ボールホルダーに圧力をかける。ここでボールの動きは止まり、最終ラインは比較的余裕を持ってディフェンスの準備が出来ている。もちろん本職の攻撃面でも空中戦に強い塩沢がくさび役を担うことで、2シャドーが相手ディフェンスラインの裏へ飛び出す、或いはカウンターで手数をかけずに一気に運ぶことで攻撃には厚みが生まれてきた。攻守に圧倒的な運動量が求められる両ワイドもチームの肝となっている。
■運動量がストロングポイント
選手誰もが「運動量がうちのストロングポイント」と語るように、反町監督はチームの現状を見据え、J2の他チームとの彼我の差を認識。90分間走り続ける運動量を武器にするために開幕前のキャンプから準備を重ねてきた。曰く、「夏場に走り続けることが出来るように、J2の中でも一番走ってきた」。事実、チームは今シーズンも夏の移籍期間に多くの選手を招き入れたが、その選手の誰もが「練習量は本当に多い」と口を揃える。大分から期限付き移籍中の藤川祐司は「練習量は大分の倍はある」と語り、出番を求めて清水からやってきた橘章斗も「練習に合流して、すぐに足がつってしまった」と苦笑いする。
監督就任会見で、チームの印象について「70分くらいで足が止まってしまう」と指摘した反町監督は旧知のエルシオ・フィジカルコーチを招聘。フィジカル向上のために徹底的に身体をいじめ抜いた。それはシーズン中の現在も変わらず、日々のトレーニングでもランニング・ダッシュ・ジャンプなどフィジカルを鍛え上げている。その効果は相手を凌駕するハードワーク、攻守の切り替えの早さとなって現れている。「心・技・体のうち、テクニック(技)は急には上がらない。ただ、メンタル(心)とフィジカル(体)はそうではない」。パスミスをしても頭を抱える暇があったら、すぐに守備態勢に入りボールを追いかけるといったその姿勢こそ、今の松本のスタイルを物語っている。
J2の2012シーズンが終盤に突入しようとしている。ここまで全力で走り続けてきた松本山雅FCにとって記念すべきシーズン、チームは現在のところ『健闘』と呼んで良い位置につけている。残念ながら天皇杯は京都に一敗地に塗れ、3回戦進出は為らなかったものの、リーグ戦は9月18日現在、11勝11敗12引き分けでここまで積み上げてきた勝ち点は45で、順位も13位。昨シーズンはJ1で戦っていた福岡、一桁順位(9位)だった草津よりも上位につけているのだから、ここまでの結果はサポーターも納得のいくものであろう。
特に目につくのが後半戦以降の戦績だ。7月からの13試合を5勝2敗6引き分け(勝ち点21)。勝きれない試合もまだまだ散見されるが、勝ち点ゼロの試合を2つにとどめるなど、しぶとく勝ち点を拾うことに成功している。反町康治監督も「7月、8月の暑い時期にチーム力の差が出てくる。上に行くチームはこの時期に結果を出す」と語るように、暑さや過密日程で消耗しがちとなるこの季節だ。
それまではモチベーションも高く、新鮮な気持ちでプレーを続けていたJリーグ初年度のチームが溜まった疲労からずるずると調子を落としがちとなるのが8月だ。しかしチームは遂に無敗で乗り切ったことで順位を維持することに成功。この中位のポジションを落ち着くことが出来た。指揮官は更に上の順位を目指し、まずは『一桁順位』を目指すことを宣言している。
■連携面が飛躍的に向上
開幕からチームの骨格は大きく変わってはいない。システムも試合状況や対戦相手とのミスマッチを防ぐために途中から微修正することもあるが、基本線はあくまでも3-4-2-1だ。開幕序盤は選手個々のスタイルやパーソナリティーを把握するのに時間がかかった、と指揮官は吐露するが、時間が経つにつれて顔ぶれも固まり、連携面も飛躍的に向上。攻守において形が生まれてきた。
1トップに塩沢勝吾、2シャドーには船山貴之と弦巻健人が置かれ、ファーストディフェンス或いは二度追い三度追いを精力的に続け、ボールホルダーに圧力をかける。ここでボールの動きは止まり、最終ラインは比較的余裕を持ってディフェンスの準備が出来ている。もちろん本職の攻撃面でも空中戦に強い塩沢がくさび役を担うことで、2シャドーが相手ディフェンスラインの裏へ飛び出す、或いはカウンターで手数をかけずに一気に運ぶことで攻撃には厚みが生まれてきた。攻守に圧倒的な運動量が求められる両ワイドもチームの肝となっている。
■運動量がストロングポイント
選手誰もが「運動量がうちのストロングポイント」と語るように、反町監督はチームの現状を見据え、J2の他チームとの彼我の差を認識。90分間走り続ける運動量を武器にするために開幕前のキャンプから準備を重ねてきた。曰く、「夏場に走り続けることが出来るように、J2の中でも一番走ってきた」。事実、チームは今シーズンも夏の移籍期間に多くの選手を招き入れたが、その選手の誰もが「練習量は本当に多い」と口を揃える。大分から期限付き移籍中の藤川祐司は「練習量は大分の倍はある」と語り、出番を求めて清水からやってきた橘章斗も「練習に合流して、すぐに足がつってしまった」と苦笑いする。
監督就任会見で、チームの印象について「70分くらいで足が止まってしまう」と指摘した反町監督は旧知のエルシオ・フィジカルコーチを招聘。フィジカル向上のために徹底的に身体をいじめ抜いた。それはシーズン中の現在も変わらず、日々のトレーニングでもランニング・ダッシュ・ジャンプなどフィジカルを鍛え上げている。その効果は相手を凌駕するハードワーク、攻守の切り替えの早さとなって現れている。「心・技・体のうち、テクニック(技)は急には上がらない。ただ、メンタル(心)とフィジカル(体)はそうではない」。パスミスをしても頭を抱える暇があったら、すぐに守備態勢に入りボールを追いかけるといったその姿勢こそ、今の松本のスタイルを物語っている。
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