ロンドンオリンピックで過去最多のメダル38個を獲得した日本代表選手団。

 メダルラッシュの背景には、練習環境やウェア、ギアなど様々な面でのサポートがあった。そのひとつが、味の素(株)が独占で供給した選手専用のアミノ酸素材だ。

 Sportivaは、オリンピック前から、この「アミノ酸」に注目し、3月、4月の同社のセミナーを取材。「アミノ酸サポートで、どこまでメダル獲得数を増やせるか」と、好結果を期待する記事を掲載した(4月13日配信)。

 この原稿ではその続編として、9月5日夜、都内で開催された、検証結果の一部を発表するセミナーの内容を報告する。

 セミナーのタイトルは「ロンドンオリンピック日本代表選手団を支えた新規アミノ酸素材『ロイシン高配合必須アミノ酸混合物』セミナー」。

 味の素(株)が独自に開発した3種の新規アミノ酸素材(【1】筋肉疲労の早期回復を実現するもの/【2】小容量で効果的な筋肉増量を実現するもの/【3】持続力のあるエネルギー補給を実現するもの)のうち、今回、日本代表選手団に供給された、【1】にあたる『ロイシン高配合必須アミノ酸混合物』(以下、新アミノ酸混合物)がいかに選手団に用いられ、選手たちにどのように役立ったかをレポートする内容だった。

 ロイシンとは、必須アミノ酸のひとつ。ヒトの体を構成する成分のうち約20%がタンパク質で、そのタンパク質は20種類のアミノ酸の組み合わせでつくられている。必須アミノ酸とは、アミノ酸のうち、人の体内で生成できず、食物やサプリメントとして経口で摂取しなくてはならないもので、ロイシンをはじめ9種類ある。

 新アミノ酸混合物の摂取で期待される効果は、筋タンパク質の合成を促進することを通じて、筋肉疲労と疲労感の早期回復をはかること。その実現には、筋タンパク質を合成するために必要な必須アミノ酸を体内に供給するのはもちろんだが、それだけでは十分ではない。体に「筋タンパク質を合成しろ」とシグナルを出し、より活性化させる成分が必要なのだ。

 ロイシンは、細胞内でシグナルの伝達に関与している酵素の活性化を通じて、筋タンパク質の合成を促進する役割を担っている。新アミノ酸混合物は必須アミノ酸9種類のみが配合されていて、なかでもロイシンが多く含有されている。


五輪アスリートたちが実感していた
新アミノ酸混合物の実力

 新アミノ酸混合物(1本4.7g)は、今年4月以降、24競技(293名)の選手に、ロンドンオリンピックの活動拠点で提供された5,250本を含め計100,142本が提供された。

 オリンピック後のアンケート結果(24競技中3競技の選手分を集計したもの)には、この新アミノ酸混合物がアスリート自身にとって、どんな存在かを問う項目がある。

 回答を並べると
「ともに戦うパートナー」

「水着の次に大切なもの。忘れてもチームの誰かが持っている」

「飲むと体力的に疲れが残りにくい感じもするし、練習や試合で非常に疲れたときに飲むと気分的にも疲れが取れる感じがする」

 92%のアスリートが「疲れが次の日に残らなかった」「しっかり回復することができた」などと、新アミノ酸を摂取した体感に関して、プラスの評価をしている。

 今回のセミナーにはロンドンオリンピックのメダリストの二人が登壇した。男子レスリング・フリースタイルの66kg級金メダリスト・米満達弘選手(自衛隊体育学校)と、競泳男子200mバタフライの銅と400mメドレーリレーの銀メダルに輝いた松田丈志選手(コスモス薬品)。

 ともに「世界一練習しているアスリート」と称される二人だ。

 減量競技であるレスリングの米満選手は、「アミノ酸でリカバリーしていかないと、朝、起きたときに疲れが残る」と疲労回復の工夫を語り、新アミノ酸混合物について、こう評価した。「トレーニングによる疲労だけではなく、オリンピックの特別なプレッシャーによる疲れもあって、よりよいアミノ酸が手に入って助かりました」