ロンドン五輪サッカー男子日韓戦の直後に、サッカー韓国代表選手が行った竹島(韓国名・独島)パフォーマンスが、大きな波紋を呼んでいる。メダル獲得によって得られる韓国選手最大の特典「兵役免除」にも影響が出るかもしれない。

国際オリンピック委員会(IOC)は、「独島はわが領土」とハングルで書かれたメッセージを掲げてピッチ上を走った朴鍾佑(パク・ジョンウ)選手に対し、表彰式への参加を禁じ、さらに銅メダルの授与も保留にした。

五輪憲章第50条には、「五輪の施設や競技場での、選手の政治的な行為や発言、宣伝活動を禁じる」と明記されているため、朴選手の行動が憲章違反と判断された場合は、メダル剥奪という厳しい処罰が下される可能性もある。

国際サッカー連盟(FIFA)は大韓サッカー協会に対して、朴選手に対する調査を16日までに行うよう要求しており、大韓サッカー協会は近く公式見解を伝える予定。IOCはFIFAの見解を基にしながら、今後の処置について検討するという。

韓国メディアは試合前、メダルが獲得できれば韓国選手たちには「兵役免除」と「多額の報奨金」という大きな特典があると伝えていた。そのため、現在韓国のメディアは、「メダル剥奪という最悪の展開になった場合は、朴選手だけ兵役免除が取り消されるのではないか」と憂慮する声が韓国内に広がっていると伝えている。

関心を集める朴選手への兵役免除だが、韓国兵務庁の見解はいまいちはっきりとしない。あるメディアは、「兵務庁は兵役免除について、韓国の法律と関連したものであるため、IOCのメダル授与問題とは直接関係がないとの立場」と報じているが、別のメディアは「兵務庁関係者は、メダル剥奪となれば原則的に兵役免除の特典は受けられないと話した」と報道。IOCの決定と世論の反応をみながら、慎重に判断するとみられる。

韓国では朴選手に同情し、擁護する論調ばかりだ。仮に朴選手が同問題により兵役免除が受けられなくなったとしたら、韓国の世論は大いに過熱しそうだ。

参照:アジア経済
参照:聯合ニュース

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