11日(土・現地時間)、コロラド州デンバーのペプシ・センターでUFC150「Henderson vs Edgar II」が開催され、岡見勇信が1年9カ月振りの勝利を目指しバディ・ロバーツと対戦する。

1600メートルという高地にあるデンバーでの試合ということもあり、2週間近く前に現地入りを果たしている岡見。昨年8月にアンデウソン・シウバの持つUFC世界ミドル級王座に挑戦し敗北、今年2月のUFC JAPANではティム・ブーシュに思わぬ逆転TKO負けを喫し、キャリア初となる連敗を喫してしまった。

タイトル挑戦まで時間が掛かったため、岡見の最後の勝利は2010年11月のネイト・マーコート戦で、本人も勝利に飢えているに違いない。その岡見、今回のロバーツ戦まで紆余曲折があった。チェール・ソネンの世界挑戦のサポートと自らのトレーニングのためポートランド滞在中にルイス・カーニ戦のオファーを受けたが、その後、カーニの負傷により、対戦相手はホウジマール・トキーニョに変更。ポートランドでのトレーニングを引き上げ、ビザ取得のため国内で最終調整を行っていた彼の下に、トキーニョも負傷、ロバーツとの対戦となるという報が届いたのは7月25日と、試合まで3週間を切った時点だった。

度重なる対戦相手の変更にも、岡見は「ロバーツは今のMMAの流れをもって戦う選手なので、これまで自分がチーム・クエストで積み上げてきたものが試される試合になる」と語っている。そのロバーツ、名門グレッグ・ジャクソン門下で戦績は12勝2敗。UFCは6月のカイオ・マガリャエス戦の1勝のみというファイターだが、もちろん岡見に油断する気持ちは一切ない。

日本からUFCを巡る状況を眺めていると、どうしても国内でのネームバリューというバイアスが掛かってしまいがちになる。だが、岡見のブーシュ戦敗北から、同日の秋山成勲、3月の豪州大会初参戦の漆谷康宏、6月以降は日本大会で勝利した日沖発、福田力、田村一聖が立て続けに敗れ、4日には小見川道大も敗北を喫してる。日本人ファイターは現在7連敗中と、日本での知名度の高さがUFCの戦況を計る物差しにならないことは、もう明らかになっている。

同大会では光岡映二も参戦するが、彼の結果如何に限らず、岡見には勝利がマストのロバーツ戦。ジャクソンズMMA所属ということもあり、岡見の嫌なところをついてくる作戦が授けられるに違いない。とはいっても、ロバーツもまた急遽岡見との対戦が決まったこともあり、その策が体に沁みこんでいるとは思えない。となると、この試合は地力勝負。

一発のあるパンチを、倒すためだけでなく当てる目的でも使え、ステップワークや前蹴りで相手の距離にさせないロバーツは、テイクダウンディフェンスも強い。より積極的に、自分のリズムを掴むために前へ動く、そんな岡見の強気の姿勢がロバーツのポイントメークを潰すことになるだろう。

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