試合 :国際親善試合
開催日:2012年7月19日
結果 :フランス代表勝利
スコア:「0−2」
得点者:デリ ルナール

○ なでしこジャパン

FW:大儀見優季 川澄奈穂美
MF:宮間あや 大野忍
MF:澤穂希 阪口夢穂
DF:鮫島彩 熊谷紗希 岩清水梓 近賀ゆかり
GK:福元美穂

FW:大儀見優季 岩渕真奈
MF:宮間あや 安藤梢
MF:澤穂希 阪口夢穂
DF:鮫島彩 熊谷紗希 岩清水梓 近賀ゆかり
GK:海堀あゆみ


完敗でした。やはり、あれだけ1対1の局面のところで負けていれば、まず勝てるという事は無いと思います。但し、おそらく100%に近い状態だったフランスに対して、明らかに日本は60%ぐらいの状態だったので、本大会に入れば日本も80%以上に、そして、決勝トーナメントに入れば100%近くに、日本もそうなってくると思いますから、もしそこでフランスと再戦する事になった場合には、この試合よりは良い試合ができると思います。

しかし、1つ考えなくてはならない事は、スウェーデン遠征で、日本はアメリカに「1−4」と大敗しましたが、この試合のフランスが、その時のアメリカと全く同じ戦い方をしてきた、という事ですね。DFラインの裏を狙うロングボールで日本を全体的に押し下げ、日本にハイプレスをやらせないのと同時に、逆に日本にハイプレスを仕掛ける。この、日本のストロングポイントを消してくる戦い方に対してどうするのか、そこを考えておく必要があると思います。

1つには、相手のハイプレスを個人技とパスワークで掻い潜って、という事なんですが、これができる場合には問題無いと思います。しかし、そのための修正点として、やはり、サイドの高い位置にボールを預ける、サイドの高い位置でボールをキープして相手のハイプレスを無効化する、という事をきっちりやれるようになる必要があると思います。相手がロンボールを蹴ってくる。それを日本がマイボールにした。

そこから、ダブルボランチとDF4枚が後ろに残ってボールを回し、相手のハイプレスをいなしている間に左右のSHが高い位置へ上がる。そして、そのSHが相手のSBと1対1となり、タッチライン際のところでボールを受けてキープ。すると相手のSHも戻って来て、場合によっては相手のボランチの1枚も来るとは思いますが、それが狙いですね。これができれば、相手のハイプレスを無効化できるし、また、相手の中央や逆サイドの枚数を減らす事ができる。

ところがこの試合では、澤が早いタイミングで高い位置へ上がり過ぎていたために、ビルドアップの時にはボランチが阪口の1枚になってしまい、その阪口が狙われてボールを奪われてしまう、というシーンが数多くありましたし、左サイドは、SHの宮間がSBの位置に下がって、SBの鮫島が高い位置へ上がっている、という事が多かったですが、その鮫島が1対1のところで負けていたので、という事になっていました。

右サイドは、やや中寄りではありましたが、大野は起点にはなれていたと思います。そこから大儀見へのパスで決定的なシーンも作りました。但し、大野の場合は、攻守の切り替えが少し遅かったのと、やはりまだ運動量も少なかったので、本大会に入ってからは、もう1段階のギアアップを期待したいですね。つまり、ビルドアップの時には澤も必ずそれに加わる。そして、SHがしっかりサイドでボールをキープする。そこが修正点だったと思います。

また、もう1つには、これも何度も言っていますが、日本もロングボールで相手のDFラインの裏を狙う、という事ですね。特に、前半から後半の途中ぐらいまで、相手のハイプレスが強くて掻い潜り切れない、という状況になった場合には、相手の運動量が落ちるまでロングボールを使う。中盤の低い位置で、ピッチを縦横に広く使ってボールを回し、相手をどんどん縦に横に走らせる。そして、追い詰められたら相手のDFラインの裏へ向かってロングボールを蹴る。特にサイドへ向かって蹴る。