昨年9月、200万部突破の大人気コミックを、原作者・久保ミツロウ書き下ろしによるオリジナルストーリーで映画化し、興行収入21億を突破する大ヒットを記録した映画『モテキ』。3月23日のブルーレイ&DVD発売を前に、毎回超豪華アーティストを迎え、同作のファンだけでなく音楽ファンの間でもお馴染みとなった『モテキ』と連動した超人気イベントの第5弾『モテキナイトFINAL!!』が11日、東京・恵比寿LIQUIDROOMにて開催された。

 毎回、超豪華アーティストに加えて、サプライズ企画を盛り込んだ「モテキナイト」。『モテキナイトFINAL!!』では出演者が一切発表されていないにも拘わらず、チケットはソールドアウトとなり、満員の観客で会場が埋め尽くされる中、まずは第1回目「モテキナイト」から出演し、お馴染みとなった、やついいちろうのDJで華々しくイベントの幕開けを飾った。そして、あらかじめ決められた恋人たちへ、マキタスポーツが次々と登場、「モテキナイト」ならではのライブパフォーマンスを繰り広げ、会場はヒートアップ。

 続いて、登場したのが「デスコ」が『モテキ』映画版のテーマソングに起用された女王蜂。現在初の全国6ヶ所公演『孔雀婦人』を行っている中、より貫禄と迫力を増したステージを披露。「モテキ」を意識したような黒とゴールドのゴージャス且つセクシーな衣装で登場し、2曲目「デスコ」のイントロが始まると早くも会場の盛り上がりは頂点に。ボーカル・アヴちゃんがサビの前で「準備はいい?」と客席を煽りさらに興奮が高まったまま、アヴちゃんの「生で観た方があがるやろ」「あがりや。あげぽよにしてあげる」のMCで会場は完全にディスコ状態。ラスト前、「この映画をとおしてたくさんのひとたちがこうして集まっていることがすばらしいと思います。でもいろんな理由で来られなかった人たちもいる。そのひとたちのためにも私たちは思い切り楽しまなきゃ」と言葉を発し「最後の曲です。祈りをこめて」と『棘の海』を歌いあげ、約40分、凝縮された圧巻のショーを魅せつけた。

 昨年9月の「モテキナイト4」に続く連続出演となったフジファブリック。2009年末に急逝した志村正彦(Vo/G)が遺した新曲を元に、山内総一郎(G)、金澤ダイスケ(Key)、加藤慎一(B)のメンバー3人で完成させた「夜明けのBEAT」は、TVドラマでも映画版でもオープニングテーマとして起用され、『モテキ』を象徴する楽曲となった。昨年、山内をリードヴォーカルとする3人体制で新たに本格始動、最新アルバム『STAR』をリリースしたが、以前の楽曲も新体制での楽曲も織り交ぜたセットリストで満員のフロアを沸かす。『モテキ的音楽のススメ Covers for MTK Lovers盤』収録の小沢健二カヴァー「ぼくらが旅に出る理由」でも盛り上げた後、山内が「夜明けのBEAT」の制作経緯を語り、「今夜は『モテキナイトFINAL!!』なので、この曲を志村君の歌を使ってやりたいと思います」と、志村正彦のヴォーカルトラックを使用した一夜限りの「夜明けのBEAT」ライヴヴァージョンを初披露。ファイナルの高揚感をさらに特別なものにする演出にオーディエンスの興奮も最高潮に達する中、曲の途中でいきなりシークレットゲスト、森山未來が登場。この曲のミュージックビデオを想起させる激しいダンスで暴れまくり、ステージに華を添えた。

 DJタイムにもサプライズが盛りだくさん。大根仁監督のDJタイムには観客としてこのイベントに遊びに来ていたジョニー大蔵大臣(水中、それは苦しい)、そして長澤まさみが飛び入り参加。大根監督の「ではせっかくなので映画のセリフをいくつかここで」の無茶ぶりに「ドロンしま〜す!シュシュシュシュ〜」など映画『モテキ』でお馴染となった人気のセリフを披露し観客を沸かせる場面も。その後、やけのはらによるDJタイムには七尾旅人、ドリアンが登場。これまた『モテキ』では馴染深い「Rollin' Rollin'」を披露。

 さらに前日の出演者発表の際には伏せられていた“Special Artist”として、当日までシークレットとなっていた岡村靖幸が登場。皆が固唾を飲んで見守る中、SEと共に黒いスーツに身を包んだ決めポーズの岡村ちゃん登場。体全体をクネらせながらの「どぉなっちゃってんだよ」で始まり、映画『モテキ』でも使用された「カルアミルク」と連続するキラーチューンに会場は興奮の坩堝に。軽快なダンスを繰り出しながら「モテキのベイベ!」とフロアを煽ると観客も大きな歓声で応える。中盤、MC明けで映画『モテキ』でも印象的な「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」で観客のテンションは最高潮に。「青春って1,2,3,ジャンプ!」の大合唱に包まれるリキッドルーム。「靖幸ちゃんだぜ!」のMCと共に次々と繰り出されるダンスチューン。疲れを知らず踊り続ける岡村ちゃん。お馴染み「ヘポタイヤ」のコール&レスポンスの中「だいすき」で本編終了。鳴り止まぬ拍手と共に再び岡村ちゃん再登場。まさかのアンコールに会場を埋め尽くしたモテキヘッズは完全燃焼を遂げた。

 最後は映画のサントラも手掛ける岩崎太整のクロージングDJで「モテキナイトFAINAL!!」は幕を閉じる。そんな中、大根監督に引っ張り出されて森山未來再び登場。会場が一瞬映画の女神輿シーンでお馴染みの「幸世!抱いて!」コールに包まれる一幕も。最後の最後まで、濃密に繰り広げられるサプライズ企画に会場は異常な盛り上がり。まさに『モテキナイト』でしか実現しない、『モテキ』とは切っても切り離せないアーティストがこれでもかと続々登場。豪華アーティストの夢の競演が繰り広げられた奇跡の一夜の最終章が遂に幕を閉じた。

モテキ - 作品情報

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