「交際男性」連続不審死事件の木嶋佳苗被告(37)が、以前は月150万円も「セックスでお金を稼いでいた」と証言した。ネット上では「あの顔、あの体型であり得ない」「どう考えても妄想」といった疑問の声もあがっている。

木嶋被告の顔写真報道を見て、「セックスで月150万円」証言に違和感を持つ人は少なくないようだ。木嶋被告は、その道で「稼げる」タイプの女性なのか。性風俗店経営者や結婚詐欺に詳しい弁護士らに聞いてみた。

「うちの店では面接で落とします」

木嶋被告は2012年2月17日の公判で、「愛人契約やデートクラブでセックスでお金を稼ぐ」ようになったことを明かし、「月平均150万円です」(産経新聞ネット版より)と話した。

期間は、木嶋被告が19、20歳ごろの1994年から2001年(木嶋被告27歳)までのことだと説明した。木嶋被告の「高校の卒業アルバム写真」は広く報じられており、20歳ごろの木嶋被告の容貌はある程度、想像可能だ。

「彼女は、うちの店では(月150万は)まったく無理です。というか、面接で落とします」

東京・新宿地区で性風俗店を経営する40代の男性はこう言い切った。女性をホテルなどに派遣する「デリヘル」(デリバリーヘルス)を営み、以前は会費を払った男性に女性を紹介するデートクラブも経営していた。

木嶋被告が「稼いでいた」2000年ごろの話を聞くと、「月200万円稼ぐ子も結構いましたね」と振り返った。ルックスについては、「顔はかわいい方が有利だが、体型については『ぽっちゃり』好きもそれなりにいる」そうだ。複数の報道写真で見る木嶋被告は、かなり「ぽっちゃり」している。

木嶋被告の「月150万円」は可能かどうか質問すると、「愛人ならセックス1回10万円として、1人週1、2回で3人捕まえれば150(万円)行きますね」と話し、「ルックスにこだわらない客にピンポイントで当たれば可能」と分析した。

「ただ、(木嶋被告の場合)その可能性が高いとは思わないし、私が客や愛人なら遠慮しますね」

と話した。

「女性の容姿が劣っている方が安心できる」男性も

次は、都内の「豊満ぽっちゃり専門」風俗店の「ママ」に聞いてみた。

「ウチでは無理。面接で落とします」

と即答が返ってきた。「顔や雰囲気がダメ」なのだそうだ。

他の店なら木嶋被告に「月150万円」が可能かどうかは、「まあ、いろんな好みの客がいるけどね……。う〜ん、分かんない」とのことだった。

一方、愛人契約やデートクラブに限らず、「容姿が劣っている人が異性に多額のお金を貢がせるケースは、男女ともある」と指摘するのは、結婚詐欺問題に詳しい河原崎弘弁護士だ。「女性の容姿が劣っている方が安心できる」というタイプの男性もいるからだ。

婚活コンサルティング「リアルラブ」の代表で心理カウンセラーでもある湯田佐恵子さんも「相手のルックスが悪いとかえって安心し、騙されて貢いでしまう人は男女ともにいます」と指摘する。

木嶋被告は2月20日の公判でも、2008年に婚活サイトで知り合った被害者男性のひとり(当時53歳)から、数十万円を何度も受け取ったとし、「(別の交際男性から)それまでにも100万円単位でもらうことが何度もあったので、抵抗はなかった」(時事通信による)と述べた。

木嶋被告は、殺人罪に問われた3事件について、初公判で起訴内容を全面的に否認している。