今年1月9日から2週間に渡り米デトロイトにて開催された世界最大級の自動車展示会「北米国際自動車ショー」。各国の自動車メーカーがエコカーの新型モデルを発表する中、日本を代表するトヨタとホンダが2台の高級スポーツカー「NSXコンセプト」と「レクサスLF-LC」を初披露し、喝采とともに会場を沸かせた。

 若者の車離れが叫ばれて久しいが、こんな時代だからこそ、人々は魅力的な車の登場に胸を躍らせ、日常を忘れさせるスピードの彼方に夢を馳せるのではないだろうか。草食男子が増殖するとともに、出生率の減少により高齢化が加速し、年金改革による消費税増税など問題が山積みの今、求められているのは“ワイルド”な肉食男子。そこでオススメしたいのが、“ワイルド”なヤツらが“MEGAスピード”で疾走する、アクションの常識を覆す最強のエンターテイメント『ワイルド・スピード MEGA MAX』だ。

 2001年のシリーズ誕生から10周年を迎えた昨年10月、シリーズ5作目となる『ワイルド・スピード MEGA MAX』が劇場公開され、日本を含む全世界63ヶ国でナンバーワンを獲得、シリーズ史上最高の世界興収を記録した。早くも続編の製作も決定する中、2月3日には同作がブルーレイ&DVDとなって発売された。5作目にして最大のヒットを記録しているように、過去4作品を観ていなくても楽しめることは保証するが、『ワイルド・スピード MEGA MAX』を“メガ・マックス”に楽しむために、ここでシリーズ4作品を改めて振り返ってみる。

『ワイルド・スピード』(2001年公開)

 原点の舞台は、ストリート・カーレースに大金を賭ける若者たちが夜な夜な集まる、カリフォルニア州ロサンゼルス。その中でも一目置かれる凄腕ドライバーのドミニク(ヴィン・ディーゼル)に、脅威のドライビング・テクニックを持つブライアン(ポール・ウォーカー)が勝負を挑む所からすべては始まった。実はブライアンの正体は警察官で、多発する改造スポーツカーによる強盗事件の潜入捜査のため、ストリート・レーサーの仲間としてドミニクに近づいたのだった。ドミニクの妹ミア(ジョーダナ・ブリュースター)とブライアンのロマンスも手伝い、やがて二人の間には友情が芽生えるが、窮地に立たされたブライアンがとった行動とは…。

『ワイルド・スピード X2』(2003年公開)

 今宵も熱狂的なギャラリーたちが詰めかける中、大金を賭けたストリート・レースで勝利を手したのは元警察官のブライアンだった。前作『ワイルド・スピード』で、警察官としての職務か、ドミニクたちとの友情か、選択を迫られた彼は、強盗団を逃がしたことから追われる身に。逃亡先のフロリダ州マイアミで、ストリート・レーサーとしてカリスマ的存在になっていた彼に、警察は過去の罪を免除する見返りとして、再び潜入捜査を依頼。仕方無く仕事を引き受けたブライアンは、幼馴染みのローマン(タイリース・ギブソン)とともに貿易商を装う麻薬組織に雇われドライバーとして潜入するのだった。


『ワイルド・スピード X3 TOKYO DRIFT』(2006年公開)

 舞台は、日本の首都・東京へと移動。今作の主人公となる高校生のショーンは、無茶な暴走好意で地元にいられなくなり、父親の住む東京へとやってくる。究極のドライビング技術“ドリフト”と出会った彼は、ドリフト・キングの異名をとるD.K.と勝負するが、惨敗。しかし、D.K.の仲間ハン(サン・カン)に気に入られ、北川景子演じるレイコなどの仲間とともにドリフトを猛練習し、再びD.K.と極限のドリフトレースで勝負する。歩行者が行き交う渋谷スクランブル交差点を超絶ドリフトで疾走するなど、走りを追求した最速マシンが東京中を駆け抜け、“ドリキン”土屋圭市、妻夫木聡、真木よう子らのカメオ出演も話題を呼んだ。

『ワイルド・スピード MAX』(2009年公開)

 再び、舞台はアメリカへと戻る。初作『ワイルド・スピード』で強奪犯として指名手配されていたドミニクは、LAから逃亡後も南米で恋人のレティ(ミシェル・ロドリゲス)らとともに改造スポーツカーによる強奪を繰り広げていたが、警察の追手を感じ、黙って仲間たちの元を去る。その後、ある事件をきっかけに麻薬組織への復習を誓った彼は、再びLAに舞い戻ろうと決意。一方その頃、前々作『ワイルド・スピード X2』での活躍によりFBI入りを果たしたブライアンも同じ麻薬組織を追い続けており、計らずもドミニクとの再会を果たす。二人の運命がハイスピードで交錯する時、意外な真実へと突き進む暴走が始まろうとしていた。

『ワイルド・スピード MEGA MAX』(2011年公開)

 そして最新作『ワイルド・スピード MEGA MAX』のオープニングは、前作『ワイルド・スピード MAX』のエンディングから直結しており、お尋ね者となった天才ドライバー・コンビ、指名手配犯ドミニクと元FBI捜査官のブライアンはブラジル・リオに潜伏。裏社会の大物から1億ドルもの大金をせしめるという最後のヤマを企てた彼らは新たなチームを組織し、大胆不敵な作戦を実行に移すのだった…。本作の見所は、特集ページにて紹介しているので、詳しくはそちらをチェックしてもらいたい。

『ワイルド・スピード MEGA MAX』特集ページ