戦後徹底した軍政に対する批判が行われ、日本人の愛国精神を骨抜きにするプログラムがGHQによって組まれた我が国では、拝むことの出来ない光景であり、恐らく同時刻に日本人選手団を乗せたバスの車内では、個々の選手がヘッドフォーンで銘々が思い思いの音楽を聴いていたに違いありません。良し悪しの問題ではなく、真剣勝負が行われる状況下に於いて、どちらがより効果的であるかの問題であって、その答えは明明白白であります。国を背負う覚悟のある者は強いのです。ちょうど北朝鮮代表が、愛国唱歌を歌う人民の前で、愛国心剥きだしに不器用に戦いながらも日本代表に勝利したように・・・。

戦争ほど愚かで悲惨なものはありませんから、私は決して有事であることや戒厳令下にあることを肯定するものではありませんが、祖国を防衛する軍隊を(たてまえ上)持っていなかったり、自衛隊を海外に派遣するとまた我が国によるアジアへの侵略が起きると本気で考える輩がいたり、君が代を歌うことが再び軍政につながるという輩が存在する頓珍漢な国を肯定するものでもありません。要するに日本は平和ボケし過ぎている世界でも珍しい国であることをしっかり認識し、その対策方法を知っていれば良いのです。その事実に目を向けようとせず、対処法を考えないから、クウェートのような極めて小さな国に足元をすくわれかけ、同じくシリアという小国の後塵を拝する事態に陥ってしまいかねないのです。

幸い、まだ2試合を残しているので、ロンドン五輪出場の希望が潰えたわけではございませんが、少なくとも今の段階では、フットボールの神様がシリアに微笑んでいらっしゃることは間違いないでしょう。昨年の女子W杯の最中に、震災に苦しみながらも復興の為に立ち上がろうとしている国からやってきた健気な乙女達に微笑んでいたように・・・。