2011年11月に発売された『ONE PIECE』64巻(尾田栄一郎/作、集英社/刊)は、日本出版史上最大となる400万部の初版発行を記録した。
 子供から大人まで夢中にさせる『ONE PIECE』は、物語の内容だけではなく、登場人物にも魅力を感じる。特に主人公・ルフィは、強いだけではなく、ハチャメチャでありながら、仲間やあらゆる人たちを惹きつける魅力がある。そんなルフィのコミュニケーション能力とは?

 『『ワンピース』に学ぶ勝利の交際術』(平居謙/著、データ・ハウス/刊)では、『ONE PIECE』から人と人との「交際」・「コミュニケーション」に関して、考えさせてくれる33のシーンに著者の平居謙氏が解説を加えた一冊だ。
 各シーンのどこが「交際」「コミュニケーション」にとって大切なのかについて、例を挙げながらエッセイの形で紹介していく。

 例えば33の項目の中で「食事を共にすれば、すぐに仲良し」というものがある。
 頂上決戦のあと、エースの死を受け入れることができないルフィは女ヶ島に匿われる。そこで、ジンベエがルフィの身体を心配し、励まし続け、「失った物ばかり数えるな!!!」という言葉をかける。ルフィはこの言葉で我に返り、自分には仲間がいることを思い出す。ジンベエは「ルフィ君、・・・食う事は…生きることじゃ!!!」と勧めた。そして、ルフィはがぶっと肉に喰らい付く。(『ONE PIECE』60巻/第591話より)
 なぜ、小学校や中学校では「給食」の時間が設けられているのか。友人や家族、同僚と食事の時間を共有するのか。一緒に食事をすると仲良くなれると感じているからではないだろうか。
 食事をするということは身体にエネルギーを注ぎこむことにほかならない。そうすると、それまで緊張していた身体、疲弊していた精神がぐっとリラックスしてくる。「一緒に食事をすること」は「生きること」であると同時に「豊かになること」でもあるのだ。

 『ONE PIECE』を読んだことのある人は、紹介されているシーンをすぐ思い出すことができるはず。ルフィをはじめとした登場人物たちは、それぞれ違った魅力を持っている。マンガから学ぶことは多いはずだ。
(新刊JP編集部)



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