FW:ティエリ セルヒオ・ガルシア
MF:ベルドゥ
MF:ロマリッチ フォルリン ハビエル・ロペス
DF:ディダク モレーノ アマト ラウル・ロドリゲス
GK:アルバレス

という事で後半ですが、エスパニョールは、まずヴァイスに代えてハビエル・ロペスを投入し、セルヒオ・ガルシアとベルドゥを1つ前に上げてきました。その理由としては、ヴァイスのパフォーマンスが、攻撃面であまり良く無かった事と、もう1つには、やはりベルドゥは前に上がる回数が多いので、右サイドのゾーンにスペースができてしまう事が多かったから、という事かなと思います。

ラウル・ロドリゲスがサンチェスを1対1でよく封じていたとは言え、そこの1対1で負けてしまった場合には大きなピンチになる、という感じはありましたので、やはりそこが心配になったのかなと思います。そしてこの修正は機能して、守備面はより安定したように思います。但し、守備面は安定しましたが、スコアは「0−1」で負けていましたので、後半の途中からは攻撃的な形に変えました。

FW:セルヒオ・ガルシア アルバロ・バスケス ティエリ
MF:ベルドゥ
MF:フォルリン ハビエル・ロペス
DF:ディダク モレーノ アマト ラウル・ロドリゲス
GK:カシージャ

FW:アルバロ・バスケス ティエリ
MF:ベルドゥ セルヒオ・ガルシア
MF:フォルリン ハビエル・ロペス
DF:ディダク モレーノ アマト ラウル・ロドリゲス
GK:カシージャ

それがこの形ですね。ロマリッチに代えてFWのアルバロ・バスケスを入れ、ベルドゥをトップ下に置いた「4−2−1−3」。もしくは、ベルドゥが左SH、セルヒオ・ガルシアが右SH、という感じにした「4−2−2−2」。ポイントは、前4枚の形はどうであれ、基本的なボランチの枚数を2枚にした、という事で、得点を取らなければ負けてしまう状況でしたから、リスクを背負って攻撃的な形にした、という事ですね。

FW:サンチェス メッシ アウベス
MF:イニエスタ セスク シャビ
MF:ブスケツ
DF:アビダル ピケ プジョル
GK:バルデス

そして、ここからはバルサの方に話を移して、バルサは「3−4−3」でした。メンバーも現時点でのベストメンバーと言える布陣ですね。しかし、前述してきたエスパニョールのバルサ対策が機能していたので、バルサは苦しい試合となりました。サンチェスとアウベスがワイドにポジションを取り、中盤の4人の選手も何とかバイタルエリアのところを開けさせようとしていたのですが、エスパニョールの選手はそれに釣られませんでした。

また、バルサのお株を奪うようなハイプレスをエスパニョールが機能させてきて、後ろの4人のところから前の4人の選手のところに質のあるパスをつなげず、唯一、楽にパスを通す事がきていたのはサンチェスのところだけで、しかしそのサンチェスの仕掛けもラウル・ロドリゲスに封じられてしまっていましたから、かなり苦戦をしていました。

それで、やはり問題だったのは、メッシのパフォーマンスが低かった事ですね。いつものバルサだったら、メッシがバイタルエリアの狭いスペースでもボールを受けて、尚且つ、複数に囲まれてもボールを奪われない事によって、もしくは、そこを強引にドリブルで切り裂いてしまう事によって、メッシがスペースを作ってくれる、メッシが複数を引き付ける事によって、イニエスタやセスクやシャビをフリーにしてくれる、そこが強さのポイントでもあるのですが、そういうプレーが、この試合のメッシには見られませんでした。

なぜパフォーマンスが低かったのか。なぜ、いつもよりも、だいぶパワーをセーブしているようだったのか。その理由は分かりませんが、とにかく重要な事は、いかにバルサとは言え、やはりメッシの存在というのは大きく、メッシがバイタルエリアのところを攻略してくれないと、メッシが複数の選手を引き付けてくれないと、バルサの攻撃の威力は落ちてしまう、という事ですね。