西野監督が指揮を執った10シーズンの間にガンバ大阪は多くのタイトルを獲得し、Jリーグ屈指の強豪クラブとなったわけで、ここ2シーズンは無冠に終わったとはいえ、優勝争いには常に顔を出していたわけですから、契約更新をしない理由が見当たりません。強いて見つけるとすれば、メイン・スポンサーであり実質的な親会社であるパナソニック社が極度の営業不振に陥っているので、西野監督の年俸が払えなくなったこと位しか思い当りません。

経営収支のバランスは非常に大事なので、西野監督の年俸がネックであったのは理解できないでもありませんが、その後に高額年俸で今野選手を獲得したことを考えると不可解としか言いようがありません。しかし、それよりも何も大事な新監督の人事が不可解であります。

まず、何故ガンバ大阪がそれほどまでに呂比須ワグナー氏に拘らなければならないのかが理解できません。西野監督が口先だけではなく、常に攻撃的フットボールを標榜し、かつ実践してきた後を受けて、なぜ監督としての実績の無い呂比須ワグナー氏なのか。結局、Jリーグもそのワグナー氏にJ監督としてのお墨付きを与えることが出来なかったわけですが、では何故監督がジョゼ・カルロス・セホーン氏で、ワグナー氏をわざわざコーチに据えなくてはならないのかも納得出来る理由が見当たらず、私などはこの人事を決定したフロントと呂比須ワグナー氏との間に何かがあるに違いないと思ってしまうのです。こんな人事を行っていると、せっかくJリーグを代表する強豪に上り詰めたガンバ大阪の将来を危惧せざるを得ません。関西の雄としてもJを盛り上げてきたガンバ大阪だけに、私の杞憂に終われば良いのですが、果たして結果はどうなるでしょう。

そんなこんなで駆け足で昨年のフットボール界の検証と来る新シーズンの予想を行って参りましたが、文字数等の都合で乱暴と思われる表現があったとしたら、お許し頂きたいと存じます。そして末尾ながら、2012年が引き続き日本フットボール界にとって明るい年となりますよう、またフットボールを愛される皆様にとっても良き年となるよう心からお祈り申し上げます。