11月18日から中国・南京で開催されるパシフィック・アジア カーリング選手権(以下PCC)。女子は、中部電力が日本代表(チームジャパン)として初めて参加する。

 実はこの大会、2014年ソチ五輪に向けて非常に重要な舞台なのである。

 ソチ五輪のカーリング競技の出場枠は10。その出場権については、過去のレギュレーションと異なり、五輪から逆算して直近2年の世界選手権のポイント(大会成績に応じたポイント)で決定される。つまり、2012年と2013年の2大会における合計ポイントによって、開催国のロシアを含めた上位8カ国に出場権が与えられ、残り2枠は、両大会に出場しながら五輪出場枠内に入れなかった国々で五輪直前に最終予選を行なうことになっている。

 この世界選手権のアジア予選が、今回のPCC。女子は、中国、韓国、ニュージーランド、そして日本の4チームが参加(男子はオーストラリアと台湾を加えた6チーム)。そのうち上位2カ国が、来年3月にカナダで開催される世界選手権(男子は4月にスイスで開催)の切符を手にすることができる。

 世界選手権に出場できなければ、当然五輪ポイントはゼロ。そうなると日本が五輪に出場する道はかなり険しくなるため、虎視眈々と日本代表の座を狙う各チームも、今回PCCに挑む中部電力には必死にエールを送る。

 では、中部電力は世界選手権に出場できるのか。五分五分というのが、正直なところだろう。

 現在のアジアの勢力図を見てみると、ここ数年は中国が抜けた存在だ。中国のカーリング人口はほぼゼロに近いのだが、五輪でメダルを獲得するために、2001年にカーリングプロジェクトを始動。他の氷上競技から能力のありそうな選手を発掘し、国のお抱えプロ選手として育て、莫大な予算と時間をかけてチームを作ってきた。

 結果、2006年トリノ五輪には出場していないものの、その年のPCCで優勝すると、昨年まで5連覇中。その先の世界選手権でも2008年に準優勝、2009年にはついに世界の頂点に立った。2010年バンクーバー五輪でも銅メダルを獲得し、今回のPCCも本命視していいだろう。

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