――大泉さんは、松田さんの印象についていかがですか?
大泉:明らかに、僕にはない不思議な空気感を持っている方なので、面白かったです。トークのペースから何から何まで僕より絶対にゆっくりだからね。これぐらいのゆっくりした、生き方もいいかもと思いました。多分、僕は生涯で彼の一生分の100倍くらいはしゃべると思うんだけど、これくらいのしゃべりでいいのか、俺は何を焦ってしゃべっていたんだろうと(笑)。人生、そこまでしゃべらなくてもいいじゃないか、だって龍平君はこんなにちょっとでこんなに面白いんだからと思いました。――普段も良い関係を作れているようなので、映画の中での探偵と高田の関係性も作りやすかったですか?
大泉:そうですね。台本を読んでいた時は、いまいち“高田”って人が想像つかなかったんですよ。掴みどころのない役でしたから、龍平くんが高田に決まっても、どうやって演じるのかなって分からなくて…。でも、龍平くんがセリフをポンッと言った瞬間に、ぶわーっと“高田”という人が見えてきたのが、ありがたかったですね。――本作に出演を決めた理由は何ですか?
大泉:子供の頃に、普通に刑事ごっことか探偵ごっこをやっていたし、小中高の頃は、TVで探偵ものが多かったので、探偵に憧れはありました。なのでマネージャーから「探偵ですよ」と聞いた時は、それだけで「おお、やりたい!」っていうのはありました。舞台が札幌というのも魅力的でした。さらに、僕らは『ルパン三世』世代だったから、気がおけない相棒がいることにも憧れがありますからね。そういった意味でも高田みたいな男がいるというのも好きな世界観でしたね。――松田さんはいかがですか?
松田:一見、ストーリーが複雑そうに見えますが、ごくシンプル。それで良い話だなと思いましたし、大泉さんが出ているから一緒にやってみたいという気持ちもあったし、北海道でロケをしてみたいな、というのもありましたね。小さい頃に一度来たきりで、北海道にゆっくり来たことがなかったですし大泉:旅行気分だったのか!
松田:(笑)
――おいしいことを食べることは、全て達成されましたか?
松田:そうですね、お陰様で。大泉:いやあ、おいしい店は全部紹介しましたよ。ジンギスカンだ、ラーメンだ、スープカレーだ、とかは大体行ったんじゃないですか?長くいたからね。龍平くんは、俺よりも長くいたもんね。僕は、途中東京とかで仕事があって何回か往復したんですけど、この人はいましたね。3日撮影がなかった時でも帰らなかったからね。「え、ずっといたの?龍平くん」「いましたよ」って言って(笑)。1回帰ればいいのにと思ったけど。
松田:北海道って居心地が良いんですよね(笑)
大泉:札幌で試写を観た僕らの仲間が、「観終わった後に飲みたくなる」と言いましたけど、やっぱり札幌で観るのが1番良いですよね。観て、そのまま、すすきのに流れる。今だったら札幌駅からすすきのまで全部地下で行けるんですよ。札幌は雪も降るし、寒いから、外に出なくても良いっていうすごい空間が出来たんです。是非すすきの巡りをして頂ければと。
――そう言えば、大泉さんは北海道出身ですね。そんな大泉さんから、松田さんは何か北海道での撮影のコツなどを教わりましたか?
松田:雪の怖さを知っているんでしょうね。僕が車を運転するシーンの時は、助手席から「雪は怖いから!本当に滑るんだよ」と言ってましたね。うるさいなぁ…と思いましたけど(笑)、いろいろ教えてもらいましたよ。大泉:明らかに僕からの忠告に「うるさいな」という感じを出してきてはいるんですよ。「とりあえず、ちょっと自分のやりたいようにやらせてくれ」という感じで、全く僕の忠告を無視した運転をしていましたよね。
松田:ダメだったら2回目から・・・
大泉:「直しますから、1回やらせて下さい」と。滑る道をありえないスピードで走って「ああ、本当に滑りますねー」とさらっとした感じでおっしゃって笑っていましたけど(苦笑)
松田:すごく滑って面白かったですけどね(笑)
大泉:本人はちょっとドリフト気分で運転していましたけどね。僕は正直「危ないって!」という感じでしたね。