相次ぐ芸能人のパチンコ化に水を差すニュースが飛び込んできた。東映の時代劇「遠山の金さんシリーズ」で知られる俳優・松方弘樹のパチンコ台の提供が禁止されることになったのだ。対象となるのは、09年末に発表されたサンセイ・アールアンドディ社の「CR松方弘樹の名奉行金さん」。松方弘樹演じる「金さん」という名前の奉行が悪を懲らしめる内容。「遠山の金さんシリーズ」に酷似していたため、訴訟沙汰になっていた。【文・安藤健二】

 「遠山の金さん」シリーズのパチンコ台は、東映の正規ライセンスを受けて、08年末に大一商会が発売済みだった。そのため、09年12月に両社がサンセイ社らに対して「著作権侵害だ」として東京地裁に仮処分申請を出していた。
 
 6月27日までに、東京地裁はサンセイ社らが「遠山の金さんシリーズ」の著作権侵害をした事実を認めた上で、該当する映像を収載した部品の交換や提供を禁止する命令を下したという。サンセイ社は「すでに製造発売を中止した」と発表しているが、今回の命令を受けて、すでにパチンコ店に置かれている台の回収も余儀なくされる見込みだ。

 東映は、「CR松方弘樹の名奉行金さん」著作権侵害等に基づく仮処分申立事件についてというタイトルで、以下のようなプレスリリースを発表している。
東映株式会社(本社:東京都中央区 代表取締役 岡田裕介 以下「東映」)は、株式会社大一商会及び株式会社ビーエフケー(以下,総称して「債権者ら」)とともに、平成21年(2009)12月,パチンコ機「CR松方弘樹の名奉行金さん」の製品が,東映が保有する劇場用映画及びテレビ放映用番組「遠山の金さんシリーズ」の著作権等を侵害しているとして、パチンコ機を製造販売した株式会社第一通信社及び株式会社サンセイアールアンドディを相手方とし、東京地方裁判所に仮処分命令の申立(平成21年(ヨ)第22087号、以下、相手方を総称して「債務者ら」)を行なっておりましたが、今般,東京地方裁判所は,著作権侵害の事実を認めた上で、債務者らが製造販売を終了したと発表している上記パチンコ機について、著作権を侵害する映像を収載した部品の交換又は提供を禁止する命令を下しましたので、お知らせいたします。


関連リンク

CR松方弘樹の名奉行金さん - サンセイ社のパチンコ台の公式HP
CR遠山の金さん - こちらは大一商会のパチンコ台の公式HP(金さん役は松方弘樹ではなく橋幸夫)

CR松方弘樹の名奉行金さん発売中止……の可能性も!? - 日本遊技総合研究所