イタリア『ANSA』通信は先日、当局による賭博・八百長捜査で逮捕された2名の盗聴捜査記録の中で、ローマFWフランチェスコ・トッティの存在を示すかのような会話があったようだと報じた。エロディアーニ容疑者がピラーニ容疑者とインテル戦について話し、その際にレッチェFWダニエレ・コルヴィアが「ジャッロロッサのキャプテンから知って、フィオレンティーナ対ローマ戦でたくさんのゴールが決まると予想していた」と語ったという。

だが、当局の記録では、「ジャッロロッサのキャプテン」が誰なのかが明確になっていない。つまり、ローマFWフランチェスコ・トッティなのか、コルヴィアが所属するレッチェのキャプテンなのかが、明示されていないのだ。ローマとレッチェはともに「ジャッロロッサ(黄色と赤)」がクラブカラーのチームである。

トッティは8日、「まったく関係ないことに巻き込まれたと起こされて、最初は驚き、それから怒りを感じた。だが、オレは落ち着いている。まったく問題ない。これからも穏やかに夜は眠る」とコメント。スタッフから一連の話を知らされ、トッティはすぐに弁護士に自身が関係ないことを強調している。同選手は友人に対し、「落ち着いているけど、すごく怒っている。名前が出てきていないとはいえ、いずれにしても引き合いに出されたんだ」と話したそうだ。

また、トッティの弁護士であるアントニオ・コンテ氏は、「トッティはまったく関係ない。彼のイメージや名誉を損なうような者に対しては法的な場所で動かせてもらう」とコメント。ローマも同選手の潔白を主張し、エロディアーニ容疑者の弁護士も「ジャッロロッサのキャプテン? ローマのことではない。下部リーグについて話していた可能性がある」と話している。

クレモナ検察のロベルト・ディ・マルティーノ検事は8日夜、「トッティとヴィエリに関してはまったく何もない。どこからその名前が出てきたのか分からない。バカげたことだ」とコメント。トッティと、同じく捜査の中で名前が出てきたと報じられた元イタリア代表FWクリスティアン・ヴィエリ氏に関する報道を否定した。ヴィエリ氏も無実を主張する声明を発表している。

レッチェFWダニエレ・コルヴィアも、「これはすべてでっち上げだ。知らない人間との関係、そしてやってもいないことに自分の名前が出てくるのは気分が悪い」とコメント。「自分のイメージや娘のことが心配だ。何を言えば良いのか…僕がローマの選手たちの名前を出したともされている。毎日新しいことが出てくるんだ。できるだけ早く明確になることを望むばかりだよ」と続けている。

また、ディ・マルティーノ検事は、「セリエAには問題が存在し、それは真剣なものだ」とも話している。一方で、イタリアサッカー連盟のジャンカルロ・アベーテ会長は、「いろいろなことを耳にし、同じように否定のコメントも耳にしている。十分に慎重に進める必要がある。クレモナ検察は数カ月にわたって捜査し、18試合について捜査していて、16名が逮捕され、28名が捜査対象となっている。これ以上のことはない」と、周囲に慎重さを求めた。また、GKジャンルイジ・ブッフォンも「事実がまだ明確じゃないときに、一面に名前を出してすべてを汚すのはもううんざりだ」と述べている。