[画像] 女子は日本代表同士の決勝へ。浅尾・松山は準決勝敗退<ビーチバレー>

 久屋大通公園(名古屋市)にて開催されているビーチバレー国内ツアー第2戦・大日本印章オープンは14日、第3日を迎えた。敗者復活2回戦、準決勝が行われ、女子は、ともに日本代表チームの田中姿子(エコ計画)・溝江明香(産業能率大)組、浦田聖子・西堀健実組(フリー)が順当勝ち。男子は、開幕戦の雪辱に燃える朝日健太郎・青木晋平組(フリー)と西村晃一・ケーシー・パターソン組(WINDS)が決勝に進んだ。

 浅尾美和(エスワン)・松山紘子(SANDBLOCK)組は、敗者復活2回戦には勝ったが準決勝で敗れ、3位決定戦にまわった。

 「話す気マンマン(笑)」(浅尾)といつにない饒舌さと絶えない笑顔。準決勝に敗れはしたが、下を向くことなく記者会見場に現れた2人。調子の良さと充実感がうかがえる。

 敗者復活2回戦。浅尾・松山は、浦田景子(フリー)・駒田順子(ポイント)組に対し、開始直後から気迫あふれるプレイをみせる。「調子が良かった」と話す松山は、ジャンプサーブでレシーバーを崩し、クロスへのスパイクも効果的に決める。また、常に狙われる浅尾をカバーし、攻守両面で活躍した。

 ここまでレシーブに苦しんでいた浅尾も「レシーブの位置取りを話し合いながらプレイした。コートを分割して、捨てる所は捨てていた」と戦術を徹底。相手が浅尾からポイントを取れないとわかると、サーブの狙いを松山に変更するほど。「課題の立ち上がり」(浅尾)を克服し、第1セットを取った。

 第2セットは浦田(景)・駒田に奪われたが、第3セットは序盤からスパート。松山のサービスエース、浅尾のブロックポイントも飛び出し、15-6の大差でセットを取り、勝利をおさめた。

 続く準決勝は、日本代表チーム、浦田(聖)・西堀にストレート負け。しかし第2セットは中盤までリード。その後、連続失点により失速したが、可能性を感じさせる試合だった。

 浅尾も「課題のひとつ、連続失点が出てしまった。でも、それだけ。こちらが勝手に崩れてしまっただけ」と代表チームを相手に完敗したとは思っていない。「私たちは常にチャレンジャー。少しずつでも上がっていく」と次へ向け、最後にまた笑顔をみせた。身長200cm、ビーチバレー発祥の地、カリフォルニアからやって来たケーシーと試合巧者のベテラン西村。対するは、昨年から着実に力をつけ、開幕戦で西村組を接戦のすえ下し、悲願の初優勝を飾った井上・長谷川。前回同様、好ゲームが期待された男子準決勝第1試合は、意外な展開となった。

 「(前回は)まさか負けるとは。普通にやれば勝てると思っていた」と話す西村は、日本のビーチバレーに戸惑っていたケーシーにアドヴァイスを与えたという。「日本ではアメリカのように、どんどん強打では打ってこない。フェイクが70%だ」。開幕戦では、跳んだブロックの後ろにフワリと落とされる軟攻にポイントを失っていたケーシーも、それをようやく理解した。

 ブロックに跳ぶと見せかけて、後ろに下がるケーシー。176cmの西村が代わりにブロックに跳ぶなど、戦術はことごとく成功。また、ケーシーはもともとレシーバー。身長の低い西村と組むにあたり、ブロッカーを務めていたが、レシーブの機会が増え、本来の実力を発揮した。

 さらに、今大会の特設ビーチの砂は、粒子が細かく、足を取られやすい。世界では主流だが、日本のビーチには珍しいパウダーサンド。素早く動く、高く跳ぶなど基本的な動作に筋力、技術が要求される。「カリフォルニアスタイルの砂が良かった」と硬すぎる日本の砂にも苦戦していたケーシーには合っていた。

 試合は、井上・長谷川に何もさせず、第1セットの失ったポイントは5つ。第2セットも圧倒的な差をみせつけ、開幕戦覇者を一蹴した。

 アメリカAVPツアー優勝、ワールドツアーも転戦している実力を見せ始めたケーシー。西村とともに日本を制覇することができるか。

結果は次の通り
□女子敗者復活2回戦
浦田(景)・駒田 1 (18-21,21-17,6-15) 2 浅尾・松山
保立・宮川 2 (21-17,21-15) 0 山田・幅口
□女子準決勝
浦田(聖)・西堀 2 (21-15,21-14) 0 浅尾・松山
田中・溝江 2 (21-14,21-15) 0 保立・宮川
□男子敗者復活2回戦
西村・Casey 2 (20-22,21-15,15-6) 1 畑・牛尾
白鳥・今井 2 (21-19,21-15) 0 長谷川・畑辺
□男子準決勝
井上・長谷川 0 (5-21,13-21) 2 西村・Casey
朝日・青木 2 (21-11,21-19) 0 白鳥・今井

■ツアー開幕戦に続き決勝進出、田中姿子・溝江明香
相手のミスにも助けられた。もっとプレイの質を上げなければいけない。狙いと相手ディフェンスの位置を考えながら、サーブを打った。昨年(愛知大会優勝)は、勢いだけで勝ったが、今年は1年間やってきたことを出して勝ちたい。

■日本代表同士の決戦へ、浦田聖子・西堀健実
攻撃が単調になって連続失点してしまった。タケ(西堀)が狙われたが、考えながら修正できた。世界でどう戦っていくかという点で成長しているところだと思う。

■白鳥組との対決、二度目も撃破、朝日健太郎・青木晋平組(フリー)
一度戦った相手なので気持ちの部分で準備ができていた。今日は青木に助けられる部分もあった。チームはメンタリティで方向性、統一性が定まりつつある。決勝は熱い戦いで、名古屋の気温を3℃上げます!

(取材・文=小崎仁久)

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