――剣道のシーンはかなり迫力のある仕上がりになっていましたね。

成海:学校帰りに毎日道場に通って練習しました。剣道の独特のかけ声が、実際に聞くとすごいんですね。「ヤーっ!」って。あれは喉で出す声ではなくて、体から出てくる声だなと。

北乃:あの声で自分への気合を入れてるんだよね。西荻は最初やる気の無いキャラクターだから、最後に思い切り声を出せた時はスッキリしました!

――かなりハードな現場だったのでは無いですか?

成海:私は磯山というキャラクターだったので、誰と話してもあまり面白く無いし、撮影自体があまり楽しくなかったんです。毎日「もう無理!」って思いながら撮影していました。それでもまだ走れちゃう自分自身もいて、無理なのにまた走って、最後まで駆け抜けたって感じですね。

北乃:私は“しんどい”よりも“楽しい”が先に来る撮影でした。もともと剣道を知らなくて、瞑想とかも分からなかったけど、だんだん興味を持っていけたし、好きに変わっていったのは良かったなと思っています。

――今回の映画に出演した事で、自分の中の女優という仕事が変化していきそうですか?

北乃:最近、この世から芸能界が消えたら、映画が無くなったら、テレビが無くなったら私はどうなっちゃうんだろう。と考える事があります。私に何か取り柄が残るかな?って。今こうしてインタビューを受けている時も皆さんには記事を書くとか、メイクをするとか色々と技術を持っているじゃないですか。でも、私はカメラの前に立ってお芝居することしか出来ないから…。って考えますね。10代って色々と悩むのかなって思います。

成海:私は、俳優の前に1人の人間なので、誠実に生きていきたいと思っています。今回改めて私は映画が好きだなって感じました。1つの作品に関わっている人たち、作品が出来上がっていく過程が好きです。だから、誠実な気持ちを忘れずにこれからも映画を楽しみながら頑張っていこうと思います。

成海璃子
・スタイリスト:杉山まゆみ
・ヘアメイク:竹下あゆみ

北乃きい
・スタイリスト:阿井真理(あい・まり)
・ヘアメイク:大波彰宏(おおなみ・あきひろ)

武士道シックスティーン」ストーリー

幼い頃から剣道の修行を積んできた香織は、ある大会で無名の選手・早苗に負けたことを引きずり、早苗を追って剣道の強豪高校へ入学する。だが、久々に再会した早苗は気楽に剣道を楽しむ平凡な女子高生だった。香織は因縁のライバルの本来の力を引き出そうと奔走するが……。

4/24(土)よりテアトル新宿ほか全国ロードショー

武士道シックスティーン - 作品情報