――デザイン面で見た時には、どんな印象をお持ちですか?

小林:すごく外見もオシャレですし、良い感じですよね。

――ご自身で、自分の部屋を見渡した時に、インテリアの好みや、身の回りでこういう傾向の物が多いなと実感することはありますか?

小林:私、年齢の割には可愛らしい物って言うか(笑)、子供が好きそうなキャラクターとかが多かったりするんです。日々、疲れたりストレスとかが溜まると、そういうので気持ちが明るくなれるんですよね。例えばキティちゃんだったり、母親に「こんな年になっても欲しいの?」って言われるんですけど。そういうのが好きな反面、サックスを吹いて、戦闘モードというか攻めに入る、また別の自分がいるという。キティちゃんが好きな自分と、サックス・プレイヤー小林香織は全然違うみたいな(笑)。

――インテリアにも、その二面性が現れているんですか? 

小林:そうなんですよ。その場所に合わせて、殺風景な場所には明るく可愛らしい色合いの物を持ってきたり、仕事場はなるべくクールにしたいんですよね。その方が、自分がステージに立っていたり、将来のビジョンとかがすごく見えていくので。プライベートと仕事って、私は音楽が大好きなので本当は音楽を仕事にしたくなかったんですけど、気が付いたらそれが仕事になっていたという。「趣味は何ですか?」と聞かれると音楽なんですけど、「仕事になったら、音楽は趣味と呼べないよ」って言われるんです。他にも趣味はたくさんありますけど、音楽制作をしている時とか、音楽に関わることをしている時が結局一番楽しいので。

私みたいな趣味が仕事になってしまった人って、すごくオン/オフの切り替えが難しいんですよね。なので、あえて仕事場はクールにして、プライベートの部屋はキティちゃんを置いてみたり(笑)。なので、もちろんプライベートで聴きたいCDもたくさんありますけど、こういういいスピーカーはつい耳が仕事モードになってしまうと思うので。将来のビジョンが見えそうな感じがする、すごくクールなデザインが好きですね。

――特にウッドコーンスピーカーで聴いたらいいと思う音楽はありますか?

小林:例えば、私はハウスミュージックやクラブサウンドが好きなんですけど、クラブサウンドとかは電子音みたいなサンプリングを使ったり、元々機械的な音楽ですから。いいスピーカーで聴くのに越したことはないんですけど、あまり音色にこだわってというよりは、言ってしまえばパソコンのスピーカーでも格好良く聴こえてしまうような音楽じゃないですか。それよりも、例えばヴォーカルにしても旧き良きソウルだったりファンクだったりは、パソコンや他のあまり良くないスピーカーでは、ヴォーカリストの声の重さだったり、差がとても出てしまうと思うので。

私も、サックスという楽器はとにかく多くの倍音を含む本当に色んな音が鳴っているんですけど、「重たい、入り組んだ、複雑な音を出そう」というこだわりを持って、日々努力して演奏してるので。プレイヤーが本当に音にこだわって作っていると感じられるような音楽、インストゥルメンタルというか、なるべくアコースティックな楽器を使っているものですね。管楽器だからお薦めするわけじゃないですけど、管楽器は人間がそのフレーズを吹くために息を吸って出していますから。特に管楽器が入っているものは、じっくり聴きたいという感じですね。私も自分のCDを作る作業だけでしか聴かせて頂いたことがないので、中学校の頃から聴いてた大好きなアルバムとかを聴いてみたいですね。

――木なので、湿度や温度に左右される部分もあり、開発には大変苦労されたそうですが、ヴァイオリンやギターなど木の楽器も同じように気にしたりするじゃないですか。なので特にアコースティックな楽器を演奏されている方は、直感的に共感する部分もあるのかなと。

小林:そうですね。木というだけでも感動してしまうんですけど、「居酒屋さんでスルメを」という制作秘話を初めて聞いた時にビックリして、ますます感動したんですよね。多分、3枚目のアルバム「Glow」(2007年3月発売)のPVを5.1chにする作業をして頂いた時に、初めてこのウッドコーンスピーカーの音を聴いて、そのお話を伺ったんですけど、未だに鮮明に覚えていたぐらい。自分がアコースティックの楽器じゃなければ、気付かなかったこともあったと思うんですが、サックスは本当に原始的な楽器なんですよね。未だに木のリードを使って、リードが木なので湿度のパックに入れて保存したり、コンディションがすごく難しいんですよね。日本みたいに一年中、春夏秋冬が激しいと、その時期によってもう全然違ってしまうので。特に冬場は乾燥し過ぎて難しかったりするんですけど。

――演奏する場所によって、鳴る音も違ったりしますよね。

小林:そうなんですよね。でも、木の部分があるから、サックスがああいう音をするというか。今はプラスチックとか色んな物が開発されているんですけど、なんとなくそれは違う気がして、私はやっぱり木を選んでしまうんですけど(笑)。

ビクター「ウッドコーンスピーカー」特集 - livedoor
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