1992年にデビュー後、数々のテレビドラマ、映画に出演。現在P&G「ファブリーズ」のCMに出演し、寺島進とユニークな家族ドラマを見せている女優・坂井真紀。2001年から放送されたバラエティ番組「ココリコミラクルタイプ」には番組当初から出演しており、個性的な役柄を体当たりで演じたことも記憶に新しい。そんな坂井が今回チャレンジしたのは、バツイチ・出戻り・無気力という3拍子そろった36歳独身女がピュアな年下男に出会ったことで徐々に変わっていくという物語。12月20日より公開される『ノン子36歳(家事手伝い)』の主役ノン子である。20代、30代の女性なら必ず共感してしまうような、リアルなシーンを演じた坂井の恋愛感とは?

――まず脚本をはじめて読んだ時の感想を教えてください。

坂井真紀(以下、坂井):ノン子、やる気が無いなあ…と(笑)。年齢も私と近いので気持ちが理解できる部分もあるんですけど。

――ノン子を演じる上で一番難しかったポイントは?

坂井:ノン子は本当に何にも興味が無い人なんですね。趣味も無いし、夢も無いし、昔やっていた芸能界の仕事だって、声かけられたからふらふらっとやりはじめ、別に目標も無くて。その仕事をやめて実家に戻ってきたことに未練も無いですし。つまり、その、何も興味が無い人を演じるのって結構難しかったです。

――その難しい役柄をどのように工夫しましたか?

坂井:まず監督に、ノン子が少しでも興味があるものを教えてくださいって言ったんです。でも「何も無いんです」っていう回答で(笑)だから私も何も考えずにただ現場で漂うことにしました。

――現場の雰囲気はいかがでしたか?

坂井:現場はとても良い雰囲気でした。寄居フィルムコミッションの方達が炊き出しを作ったりしてくださって、皆さんで協力していつも温かい食事を出してくれました。

――完成した作品を観て、坂井さんの一番のお気に入りのシーンを教えてください。

坂井:花畑のシーンです。本当にすばらしいお花畑で。女優としてああいうシーンの中にいれたことは嬉しく思います。

――一番苦労したシーンはどこですか?

坂井:ヒヨコのシーンですね。やはり、ヒヨコは思うように動いてくれませんので。もちろん。「ヒヨコ待ち」の状態のときも多々ありました(笑)あ、でもお天気に関してはずっと恵まれてましたね。ちょうど梅雨の時期の撮影なので心配していたんですけど、お祭りが大雨で中止になるシーンの時だけ雨が降ってくれて。あとはずっといいお天気だったので、それは本当に有難かったです。