つねにモバイルの新境地を開拓してきたウィルコムから新しいモバイル端末「WILLCOM D4」が発売された。「WIILCOM D4」はスマートフォン「W-ZERO3」や「WILLCOM 03」で培ってきたモバイル端末のノウハウを活かした新世代の小型パソコンだ。
モバイル通信機器としては世界で初めてOSにWindows Vista Home Premium(Vista)、CPUにIntel Centrino Atomプロセッサー(Atom)を採用、標準で同社のPHSデータ通信と音声通話に対応した最先端のモバイル端末となる。

いつでもどこでも通話とデータ通信が可能なパソコンという、これまでにないモバイルパソコン、それが「WILLCOM D4」なのである。

■世界最小・最軽量のAtom採用パソコン
WILLCOM D4の最大の魅力は、小さい筐体を採用しながらも本格的なパソコンとして使える点だ。サイズは、約188横×84厚さ×25.9高さmm、重さは約470gとパソコンとしては小型軽量なボディだが、OSにVistaを、CPUにAtomを採用したことにより会社や自宅のWindowsパソコンと同じアプリケーションを動かすことができる。モバイルを想定した小型ノートパソコンではセカンド機的な機能を絞ったマシンも多いが、WILLCOM D4はメインマシンとしても十分に使える性能を備えている。

ほかのミニノートPCにない特徴としては、使う場所や用途に応じて変えられる「3Wayスタイル」の採用がある。これまでのミニノーパソコンはクラムシェルのように液晶パネルを開いて使用する製品が多く座って使用することしか想定されていない。
写真1 キーボードを閉じた「Viewスタイル」

WILLCOM D4では、キーボードを閉じた「Viewスタイル」、キーボードをスライドさせた「Inputスタイル」、さらに画面をチルトしてノートパソコンのように操作する「Deskスタイル」という3種類のスタイルを利用シーンに応じて選択できる。
写真2 キーボードをスライドさせた「Inputスタイル」写真3 ノートパソコンのように操作する「Deskスタイル」

他社のミニノートPCでは電車のつり革につかまりながらメールをチェックすることは難しいが、WILLCOM D4は「Viewスタイル」であれば、片手にWILLCOM D4を持ちながらメールチェックも簡単に行うことができる。


■3つの通信環境を自由に選択できる
WILLCOMD4はPHSのキャリアであるウィルコムが開発したことから、インターネット接続を強く意識した製品に仕上がっている。外出先では全国99.4%をカバーする広いエリアでPHSデータ通信が定額で利用できるほか、あらかじめホットスポットのプロバイダと契約しておけば、内蔵の無線LAN(IEEE802.11b/g準拠)による高速なデータ通信も可能だ。さらに別売の専用クレードルを用意すれば、会社や自宅で有線LANによる快適なインターネットを利用できる。
写真4 別売の専用クレードルに「WILLCOM D4」を載せてみた写真5 専用クレードルの後面には、各種インターフェイス端子が並ぶ

データ通信だけでなく標準付属のヘッドセットや別売のBluetoothハンドセットを使用すれことで、本体を操作しながらウィルコムの高音質なPHSによる音声通話を利用できる。またウィルコムのネットワークサービスにも対応しているため本体が休止中やスリープの状態でも自動的にメールを着信できる。セキュリティ面では、遠く離れた場所からのリモートロックサービスに対応している。

これらのサービスや機能を、購入した時点ですぐに利用できる点が、これまでのパソコンとは大きく違う利便性だろう。
写真6 別売のBluetoothハンドセット写真7 Bluetoothハンドセット専用クレードル

■モバイルユーザーに嬉しいバッテリー性能
「WILLCOM D4」はつねに持ち歩くことを想定した端末だ。バッテリー性能は誰しも気になるところであろう。
ウィルコムの公式発表によるとバッテリー駆動時間は標準バッテリー(7.4V/960mAh)で約1.5時間、別売の大容量バッテリー(7.4V/2880mAh 1万4800円)で約4.5時間となっている。
標準バッテリーと大容量バッテリーを組み合わせれば、約6時間の利用ができる。常時接続のデータ通信を行った場合には、公称のバッテリー駆動時間よりも短くなる。


次のページでは、「WILLCOM D4」の各部を写真でみてみよう。