■『アーケードゲーマーふぶき』
著者:吉崎観音 
発行:エンターブレイン

●ゲーマー度:★★★☆☆
●オススメ度:★★★☆☆

『ケロロ軍曹』で超有名な漫画家・吉崎観音が書いた、昭和の大ヒット漫画『ゲームセンターあらし』の公認オマージュ作品です。主人公の桜ヶ咲ふぶきが様々な相手とゲームで対決していくという内容であります。

ゲーム対決で無類の強さを発揮するふぶきは、初登場時「私、そんなにゲーム好きじゃないし……」という感じでしたがゲーマーの友人・国分寺花子に影響されて、どんどんゲームに肩入れするようになっていきます。

コミックスの最初の4話くらいまでは名作ゲームやゲームセンターのあるあるネタ的な内容が多かったのですが、だんだんライバルとゲームで戦うバトル色が強くなっていきました。個人的には「ストリートファイターII」や「ファンタジーゾーン」が画面写真付きで描かれる前半部分が好きだったので後半の展開にはやや物足りなさを感じる次第。
「一撃でクリアーッ!!」と叫ぶプレイで対戦相手をなぎ倒す凄腕ゲーマー・ふぶき。毎回パンツを見せながら戦う女子中学生という設定に日本の平和を感じます。

物語の構成は変化していったもののゲーム関連のネタは全編を通して散りばめられています。例えば「上上下下左右左右BA」のコナミコマンドや、せがた三四郎(セガサターンの宣伝キャラ)、四角ボタンの初期型ファミコンなどはゲーム好きにはお馴染みのネタではないかと。「月刊ファミ通Wave」で連載が開始されたのが1998年なので、せがた三四郎は当時現役のネタだったりするところに時代を感じてみたり。

レバーとボタンを使うアーケードゲームを得意とする女性ゲーマーが主人公という設定は貴重です。本作はOVAとしてアニメ化された実績もありますので、アーケードゲーム専門誌「アルカディア」あたりで再開してくれたら絶対反響があると思うんですが、吉崎先生は今売れっ子だから難しいんでしょうね……(ちょっと悲しい)。

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レッド中尉(れっど・ちゅうい)
プロフィール:東京都在住。アニメ・漫画・アイドル等のアキバ系ネタが大好物な特殊ライター。企画編集の仕事もしている。秋葉原・神保町・新宿・池袋あたりに出没してグッズを買い漁るのが趣味。

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