何度も前線に飛び出しながらもパスが来ず、悔しい思いをしていた玉田も「自分の欲しいときにボールが来ないという場面があった。簡単にできるこではないけれど、そういうところをもっと上げていくしかない」と厳しい口調で話している。

 この二人以外の選手の多くが、課題を口にした試合でもあった。

 チームが進化しているからこそ、課題も次々と生まれる。前進するためには重要なことだ。思えば3月のバーレーン戦後は、具体的な課題を口にする選手は少なかった。

 3月のバーレーン戦との違いは何かと遠藤に聞いたところ、「チームのまとまり」だと彼は応えた。「このチームの選手たちは本当によくコミュニケーションをとっている。年齢に関係なく、選手たちは自分の考えを口にするし、話し合う空気がある」と力を込めて続けた。

 そういうチームの団結力が、この中東、タイの遠征でより深まったのだという。それが土台となり、今後へと進化の歩みを続けることが重要だ。3次予選突破は、日本にとっては当たり前のノルマだった。こんなところで苦戦している場合ではないのだ。しかし、苦しんだからこそ、突破の喜びや進化の手ごたえも生まれる。

 とは言え、まだまだ予選が終わったわけではないし、目指すべき舞台はあくまでも“世界”である。試合に出ている選手も、出られなかった選手も決して、満足できない……、そんなチームへ次のステップへと進化しならなくてはならない。