――メロディと歌詞とでは、メロディの方が先に思い浮かびますか?

たむらぱん:そうですね。基本はメロディで、その間というか、なんとなく言葉もくっ付いているという感じですかね。いい響きの音というか。

――誰もが共感できるような何気ない日常の出来事が描かれていますが、歌詞は日頃から書き留めているのでしょうか?

たむらぱん:いいと思ったことは割と書いてあったり、今だと携帯に入れたり。断片の言葉みたいなものはありますけど、詞を書いておくことは無いですね。

――メロディは、どういう時に思い浮かびますか?

たむらぱん:曲を作るべくして作らなきゃいけない時期ってあるじゃないですか(笑)。そういう所に向けて、いつもなんとなく頭の中で思っているんですよね。私は、曲というのは1回全部頭の中で編曲までして、全パートまで作るんですよ。ここまでは結構、毎日考えていることですね。それで、それを落とし込む作業がある感じでなので。

――ピアノを弾きながらとかではなく、いきなり頭の中でメロディからアレンジまでを作るんですか?

たむらぱん:そうですね。いきなり勘、頭で作って。それで、後は出来た1個1個をドラムからとか順番に落としていく感じですね。

――宅録は、いつ頃から始めたんですか?

たむらぱん:その就職活動の時ですね(笑)。

――宅録ならではのアレンジが面白いなと感じていて、アレンジまで自分でやっているのは本当にすごいなと。特にドラムとか楽器をやっていたわけじゃないんですよね。

たむらぱん:やってないですね。だから知らないということが、いい方向に出ていることもあるかもしれないですけどね。打ち込んで持って行って、「手が足りないよ」と言われることの方が多いですから(笑)。

――ライブ用にアレンジを変えたり。

たむらぱん:そうです。「じゃあ、これを生の人がやる時にどうしようか?」と相談したり。

――コミカルな曲では無邪気な子供のようでいて、シリアスな曲では大人びた母性を漂わせたりと、曲によって声の表情が変わるので、本当に綺麗な歌声ですよね。

たむらぱん:でも、本当に自分の声がずっと嫌だったんですよ。「お酒とか超飲めば枯れるのかな?」とか思って、やっていたこともあったんですけど(笑)。でも最近はそういうことを全然思わなくなって、「そういう自分の曲が歌えるのは、自分」というのも分かってきたし、今はとても大事にしているんです。

――ミュージックビデオの振り付けは、自分で考えているんですか?

たむらぱん:あれは一応、監督さんがやってくれていて。でもたまに「ここは何か適当に踊って」と言われて、アドリブでやったりとかありますね(笑)。

――あれは、ダンススクールでレッスンを積んだタイプの踊りじゃないですもんね(笑)。

たむらぱん:(笑)。そうなんですよ、逆にそれっぽい感じはいけないんですよ。「ぶっ飛ばすぞ」のミュージックビデオだったら、EXILEみたいにやったり、最後は高田純二とか。あと「責めないで」は、江頭とか。全然ダンスじゃないんですけど、そういうことばかりやっていますね(笑)。