――これまで主にスタンドの打撃を中心に戦ってきたのですが、これでテイクダウンやグラウンドの磨きがかかるということですね。

「僕はエキサイティングな試合をしたい。だから、ファンが望めば立ち技で戦う。だけど、グランドだって過不足ない技術を備えているつもりだし、寝技を軽視したことはない。ファンのニーズに応えたいだけなんだ。それに僕のベースは打撃だから、スタンドで戦うことは得意だしね。僕の長所はスタンドにあることも間違いない。でも、寝技が必要だったら寝技で戦うよ」

――昨年末のIFL世界ライト級選手権で、ライアン・シュルツ選手のパウンドで敗れています。

「結果はいろんな要素が重なってのことだから、あの敗北で僕が寝技はできないということには結び付けてほしくない。あの晩は、ライアンの動きが良かったんだ。それにしても、自分が負けたシーンをスクリーンで見るのは気持ちのいいもんじゃないね。敗北を受け入れることは簡単じゃなかった。でも、事実を認めた時、僕はより勝利を欲するようになった。もっと強くなってリングに戻るだけだよ」

――シュルツ選手へのリベンジとタイトルの獲得が当面の目標ですか。

「急いではないよ。与えられた試合に勝っていくこと。それが大切だと思っている。楽しんで、キャリアを積みたいんだ」

――最近のMMAにおけるライト級の充実度は、凄いものがありますね。

「とんでもない状態だよ。トップはBJ・ペン、そして彼はパウンドフォーパウンドだ」

――そのBJ・ペン選手が王者に認定されているUFCが、このスポーツのトップ・オーガナイザーであることは疑いようがありません。IFLはクリスに素晴らしいチャンスを与え、未来への扉を開いてくれましたが、IFL以外で戦うことは念頭にありますか。

「このスポーツには、ビジネスとして契約というものが存在するからね。この契約云々という部分を除外して、一人のファイターとしての意見なら、当然、強い選手となら誰とでも、どこのプロモーションであろうが戦いたいよ。そういう気持ちを持っていないなら、戦う意味はないだろう?」

――日本のプロモーションのライト級にはどのような印象を持っていますか?

「日本人、いや日本人に限らずアジア系のファイターは、軽量級、ライト級に限らず、フェザー級もバンタム級でも存在感を持っている。北米では、WECがスポットライトを当てるようになったこれらの軽量級だけど、今も日本のプロモーションの影響力は高いと思う。僕もいつの日か日本で戦いと思っている。絶対にキャリアのなかで、一度は日本のファンの前で試合がしたいんだ」

――ところでクリスのチームメイトである、マーク・ホーミニック選手やサム・スタウト選手は、日本の立ち技格闘技プロモーション、シュートボクシングやK-1MAXにも出場しています。彼らはMMAファイターですが、立ち技のみの試合を日本でしました。

「MAXは世界最高の立ち技の大会だね。凄く興味がある。当然、僕も戦ってみたい。ただし、あれだけのトーナメントだからね、あの場に立つならば、MMAの練習を取りやめて、立ち技のトレーニングに集中する必要がある。MAXで戦うことは、僕の夢でもあるよ」

クリス・ホロデッキー Chris Horodecki
1987年9 月24 日、カナダ・オンタリオ州ロンドン出身
MMA戦績11戦20勝1敗 IFL戦績6戦5勝1敗

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