アクセサリーとして人気の「プラチナ」の価格が、金をもしのぐ勢いで高騰している。田中貴金属工業が2008年1月17日に発表した2007年の年間投資用プラチナ地金取扱量によると、07年12月月間平均価格の1グラムあたり5428円は、昨年最も高値を記録した月であり、1980年4月以来27年ぶりの高水準だった。いったい、どこまで上がるのか。

12月には「6000円」目前に

   2007年のプラチナ地金の平均価格は1グラムあたり4996円と5000円に迫った。前年比で1000円を超えて伸びた06年には及ばなかったものの、07年も664円上昇。金地金と同様に2001年以降のいずれの年間平均価格を上回る結果となった。

   田中貴金属工業では、特に10月以降の価格上昇が目立ち、12月27日には年間最高値の1グラム5990円を付け、月間平均も5428円の高水準だった。買取量と販売量の比較では、買取量が販売量を約1.3倍上回っており、「価格の高騰で、売却して利益を確定するお客さまが多かったといえます」(貴金属部)と話す。

   プラチナ価格の高騰の原因も金と同様、原油相場の上昇や、サブプライム問題をきっかけに混乱する株式市場の資金が商品相場に流れ込んできたため。加えて、「プラチナの主要な産出国の南アフリカでの供給懸念が影響している」とみている。

   ちなみに、田中貴金属工業での1月18日現在の買取価格は5539円、販売価格は5664円になっている。

プラチナ積立も人気

   プラチナ価格が高騰する最大の原因といわれるのが、世界的な産業用需要の増加。なかでも自動車触媒用の利用は、日本のプラチナ需要の約50%を占める。田中貴金属工業とジョンソン・マッセイ社の調査によると、06年に自動車触媒用に使用したプラチナは60万5000オンス、07年は61万5000オンスと予測していた。

   自動車触媒用とは、エコカーの排気ガスの浄化装置に使われているため、エコカーの普及に伴って、その需要はますます伸びる。自動車触媒用のプラチナはリサイクルできるのだが、需要が増えてリサイクルが追いつかなくなってきた。これに供給懸念が加わって、「価値」が高まっているというわけだ。

   どこまで上がるかわからないプラチナの価格だが、「プラチナ積立」(純金積立と併売)を販売する田中貴金属工業では、キャンペーンの開始から約1か月半で約2万件の資料請求があった。「(純金積立を含めた)全体では40%アップの伸びです」(貴金属部)というほどの好調ぶり。今後も継続して上昇するという期待感の表れともいえる。

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