まさにニック・ディアズのために用意されたとでもいうべき、スーパーライト級という階級。カリフォルニアやネバダ州のアスレチック・コミッションでは制定されていない階級だが、過去にボクシングがたどった道をみても明白なように、ビジネスとして定着しつつあるMMAは今後、階級の細分化が進むかもしれない。

得意なキャラクターで、EXCを取り仕切るゲイリー・ショーのお気に入りでもあるディアズ、その実力は誰もが認めるところだが、対戦相手のKJ・ヌーンのボクシング+ヒザを軽んじることはできない。ディアズのキャリアが22戦(15勝6敗1NC)なのに対し、ヌーンはまだ7戦(5勝2敗)の選手。PRIDEのUSオーディションにパスしながら、出場機会にめぐまれなかったことで、実戦のブランクができたが、その打撃は本物だ。基本はガードファイターながら、持ち前の気の強さで打ち合いに応じてしまい、苦戦を強いられることが多々あるディアズ。打ち合いになればヌーン有利の声も多い。

「You Tubeで1000万人以上がそのストリートファイトを見ている」と、ショーが紹介するキンボ。プロMMAデビューバウトを除けば、24タイトル、16000人以上が全世界で彼の喧嘩を目にしている。対戦相手は20戦10勝10敗のボー・カントレルが務めるが、最近ではバス・ルッテンのコーチを受けているというキンボ、ファンはスタイルの変化を望まないだろうが、どのように変化しているのかも興味をひかれるところだ。

キンボの投入と対象的なマッチメイクが、超・地味強のジェイク・シールズとマイク・パイルの対決だ。この試合を最後にEXCとの契約が切れるパイルは、タイトル戦の要請を「準備期間がない」ことを理由に拒否。5Rでなく、3Rでシールズと戦うことを望んだ。「マイクは強烈なサブミッションを持っていて、これまでも強豪たちとタフな試合をやってきた。自分も最高の状態で戦う必要がることは理解しているし、世界のベストになるために落とせない試合だ」とシールズが語れば、パイルも「ビジネスはビジネス。タイトルマッチであろうが、なかかろうが俺たちにとっても、ファンにとっても最高に試合になる」と意気込みを語っている。シールズがヘナート・ベリーシモを下し、パイルもKOTC同級王者アーロン・ウェザースプーンを倒すなど、勢いづいているだけに白熱の組技戦が展開されそうだ。

このほか、Shotime中継枠として、カイル・ノーク×セス・ウレインバック戦、HERO‘S参戦経験もあるアントニオ・ペイザォン・シウバ×ジョナサン・ウィエゾレク戦が行われ、イーブス・エドワーズがニック・ゴンザレスと戦う一戦を含め、地元テキサス出身が多く出場するアンダーカード5試合は12日にプロエリート・コムでストリーミングされる。