◆第9試合ライトヘビー級/5分×3R チャック・リデル vs キース・ジャーディン

この日、一番の大歓声で迎えられた前UFC世界ライトヘビー級王者チャック・リデル。果敢に前に出てくるジャーティンに対し、左フックをみまっていく。ジャーディンをケージへ追い込んだリデルは、右ストレート。左へ左へ回るジャーディンの正面に立ち、フック、ストレートを放っていく。ジャーディンも右フック、右ローを返すが、優勢は揺ぎ無い。攻めるときには、真っ直ぐ、あるいは右へ切り込んでくるジャーディンの動きを完全に見切ったのか、リデルはカウンター狙いでなく自ら前へ前へと出て行くシーンが多くなる。前蹴りを受け、一度、仕切りなおしとばかりに距離をとったリデルは、その後の攻撃でもジャーディンをなかなか仕留めることができない。強烈なアッパーも空をきったが、それでも手を緩めずに攻め続け、圧倒的優勢のまま1Rを終えた。

2R、必死の表情を浮かべ前に出るジャーディンの打撃が、リデルの顔面をとられ、一瞬腰から崩れる。すぐに立ち上がったものの、簡単に前に出られなくなったリデルに対し、ジャーディンは左フック。リデルはすかさずカウンターを当てるが、直後の打ち合いでまたもフックを顔面に受けてしまう。踏み込んで左フックを振るうジャーディンをなかなか仕留められない前王者は、右ハイキックも肩を掠めるにとどまる。顔面を鮮血に染めるジャーディンに着実にダメージを与えるリデルは、むりにラッシュをかけずに堅実露見に戦略を切り替えたようだ。

最終ラウンド、いきなり右ローをヒットさせたのはジャーディン。リデルは距離を取り直し、ケージにつめてアッパー、そしてフックで攻め立てる。バランスを崩したジャーディンだが、ここでもしとめ切れないリデルは右フックで反撃を許すシーンも。打ち合いのように見えて、すかし合いは、両者手数が少なくなり、反比例するようにブーイングの声が増えてくる。最後の30秒、立ち上がった観客の声援に押され、最後の打ち合いを繰り広げるリデルとジャーディン。少なからずおこった試合後のブーイングが表すように、単調かつ低調なメインイベントだったが、クライマックスは試合後に訪れた。29−28、29−28、28−29でなんとジャーディンが勝利。殴られても、殴られても前進をやめなかったジャーディンが、金星を挙げた。

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