18日にカンプ・ノウで行われた国王杯準決勝第1戦でバルセロナは5−2でヘタフェを敗り、勝利を収めた。この試合での主役や間違いなくレオ・メッシだ。ディエゴ・マラドーナが自らの後継者と認めるメッシが、そのマラドーナ級のスーパーゴールを決めた。

 前半28分、センターサークル付近でチャビからパスを受けたメッシは、得意のドリブルを駆使しヘタフェDF5人抜き去り、最後はGKをかわし無人のネットにボールをたたきこんだ。距離にして55メートル、12秒間でのスーパープレー。1986年ワールドカップ・メキシコ大会、アルゼンチン対イングランド戦でマラドーナが見せた伝説の5人抜きゴールを彷彿とさせるプレーにカンプ・ノウは大興奮。この衝撃的なゴールを目の当たりにしたカンプ・ノウの観客は白いハンカチを振り、「メッシ!メッシ!!」の大コール。興奮と歓喜一色に包まれた。

「いつものようなメンタリティで試合ができたことが何よりも大事。もちろん、あのゴールにも勝利にも満足しているよ。僕らは勝利を目指していたし、それが一番大事なことなんだ」とまずはチームの勝利を強調したメッシはゴールシーンについて、「まず、目の前にスペースが見えたんだ。大きなスペースが空いていたから、いつものようにドリブルで前に進もうとしたんだ。最初はゴールエリアまで進んでいくことだった。エリア内に近づいた時には2人のDFが立っていた。見方にパスを出すことも考えたけど、スペースが見えたし、それで自分で突破することにしたんだ。うまくいってよかった」と振り返った。また、自身のゴールを「いま難しい状況にあるディエゴ・アルマンド・マラドーナに捧げる」とも。

 翌19日付けの“ムンド・デポルティーボ”紙は、紙面トップで「神の足」とタイトルを銘打ち、メッシのスーパープレーを取り上げた。また、スペインのスポーツニュースでもマラドーナとメッシのプレーを同時で流すなど、スペインメディアはメッシのスーパーゴール一色となった。

 19歳の若きクラックがバルセロナの歴史に新たな1ページを刻んだ。そして、メッシのゴールは人々に語り継がれる、記憶に残るゴールとなったことは確かだ。

(スペイン通信)