2007年Jリーグが3日、開幕した。昨季、圧倒的な強さでJリーグと天皇杯の二冠を達成した浦和レッズがゼロックスでガンバ大阪に大敗。今季の混戦を予感させる一戦となった。その浦和の開幕戦は昨季、J2で優勝し初のJ1昇格を果たした横浜FCを埼玉スタジアム2002に迎え撃った。

 王者・浦和の船出は容易ではなかった。守備の要である闘莉王が発熱を起こし欠場。オジェック監督は、代わりに阿部をCBの中央として起用した。想定外のスタートになったが、開始早々から浦和は横浜FCゴールに襲い掛かった。相手の低いディフェンスラインに対し、左サイドの相馬が積極的にドリブルを仕掛けチャンスつくる。また小野、ポンテらの正確なFKもゴールの可能性を感じさせ上々の立ち上がりを見せた。

 そして迎えた25分。ワシントンとのコンビネーションにより、抜け出したポンテが中央へ折り返す。これをDF和田が味方と重なりクリアミス。ボールはゴールラインを割り、オウンゴールで浦和が先制する。

 1点を追う形になった横浜FCは、それでも攻撃的に行かずカウンターを意識。MF山口を中心に必死に耐え忍んだ。そして、このまま前半終了かと思われた44分。それまで前線で孤立していた久保が、マークについていた小野を横目に強烈なロングシュート。ボールはゴールに吸い込まれ、横浜FCが同点に追いつき前半終了を迎えた。

 後半に入ると、両チームともに疲労が見え始めスペースが生まれた。浦和は小野が起点となりサイドから仕掛ける。右サイドに流れた永井が再三、クロスをあげる。しかし、横浜FCの高い壁に阻まれ、なかなかシュートまで持ち込めなかった。さらに31分には、ワシントンが決定機を迎えるがシュートはバーを大きく超えてしまった。

 そして後半も残り5分を切ったところだった。押し込んでいた浦和に待望の決勝点が生まれる。DFのクリアミスからマイボールにした永井が個人技で相手を抜いてシュート。これまで好セーブを連発していたGK菅野が弾くも、ボールはゴールに突き刺さりようやくゴールをこじあけた。横浜FCは高木監督がすぐさまFWジウマール・シウバを投入。しかし、時すでに遅くそのまま試合終了。浦和は辛くも勝利を飾り、開幕未勝利を6年で止めた。

 苦戦は喫したもののきっちりと勝ち点「3」を手に入れた浦和。試合後、決勝点を決めた永井は「今後、コンディションはもっとよくなる」と話し手ごたえを感じていた。しかし、水曜日にはACL第1戦が行われるハードスケジュール。果たしてどこまで調子をあげていけるのかがポイントとなる。

 一方の横浜FC。敗れはしたが、見せ場は作りJ1で充分に戦えることを証明した。しかし、攻撃はほとんど久保頼み。これを改善していかなければ、最大の目標である残留も厳しくなる。また、この日出番のなかったカズの起用法についても今後、注目していきたいところだ。