レアル・マドリー移籍も秒読み段階と言われるボカ・ジュニアーズのフェルナンド・ガゴ(20)は、日曜日(10日)に行われたホームでのラヌス戦に勝ち、アルゼンチンリーグ、アペルトゥーラ(前期リーグ)優勝、その後すぐにもレアル・マドリーとの契約をまとめるという青写真を描いていたに違いない。しかし、ボカはラヌスに逆転負けを喫し、2位のエストゥディアンテスがアルセナルに2−0で勝ったため勝ち点44で並び、14日(木)に優勝決定戦を行うことになった。残念ながらガゴの青写真通りにはいかなかったわけだ。

そして、そのガゴにラヌス戦での敗戦の非難が集中してしまったようだ。優勝の美酒に酔いしることができなかったボカファン約20名が、チームが集中合宿を行っているホテルで待ち構え、そのフラストレーションの全てをボカに、そしてガゴにぶつけた。「もうレアル・マドリーに行ってしまえ!」、「ここでは誰も(お前のことを)応援していないぞ!」と罵声を浴びるガゴ。優勝を決められなかったうえに、ファンからの非難は彼にとってショックも2倍となったことだろう。

リーグ最後の2試合でボカが2連敗したのに対し、エストゥディアンテスは勝ち点4を奪取しており、勢いはエストゥディアンテスにあるといっていいだろう。

レアル・マドリー移籍という大きな扉が開かれようとしているガゴは、このチャンスを活かしたいと思っているが、裏切り者のレッテルを貼られたままボカを去りたくないと思っているのも事実。優勝という置き土産とともにボカから大手を振って出て行きたいと考えているはず。14日の優勝決定戦は、ガゴのボカでの最後の勇姿となる可能性もある。試合はヒートアップすること間違いなしだ。