11月10日、兵庫県高砂市の高砂市文化会館じょうとんばホールで、シンガーソングライター・そえんじ(42)とのコラボライブと講演を行ったのが、80年代の漫才ブームをけん引したコンビ「B&B」の島田洋七(74)。今回で総講演回数5000回目となった洋七は、講演回数日本一の記録を更新している。
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「周りからはギネスブックもんだと言われますが、講演は吉本を辞めて食えないから始めただけで、記録なんてまったく考えていませんでした。コロナ禍で依頼が激減したりと苦しいときもありましたが、気づいたら5000回まで来たという感じです」
こう話す洋七はさらに、相方の島田洋八(74)と6年ぶりにコンビを復活させ、漫才を披露。74歳の2人は40分間しゃべり倒したという。漫才と言えば、年末に決勝が行われる「M-1グランプリ2024」に過去最多の1万330組がエントリーしている。2002年から5年、審査員を務めた洋七はM-1についてどう思っているのか。
「M-1で優勝しても、半年くらいで消えるお笑いが多い。最近の漫才師の多くが3、4分程度のネタしかできないから、バラエティー番組ならまだしも、舞台では場を持たせることができない。吉本の場合は劇場で6、7分のネタをやらされますが、他の事務所のライブだと2、3分のネタを2本くらい用意してと言われる。2、3分じゃ自己紹介で終わってしまいますよ」
昨今のお笑いについてもこう釘をさす。
「過去最多のエントリーって言いますが、面白半分のコンビや思い出作りというのが半分以上のような気がします。最近のバラエティーでお笑いを見てると、誰でも簡単にできると思ってしまうんでしょうね。お笑いはそんな甘いもんじゃない」
飲み会での女性への性行為の強要を「週刊文春」に報じられ、発行元の文藝春秋と裁判に発展していたダウンタウンの松本人志(61)はこのほど訴訟を取り下げ、裁判は終結。松本の復帰について、洋七は「熱烈なファンは復帰を歓迎しているようですが、これだけ色んなことが報じられた松本を一般の視聴者は笑えないでしょう」と、厳しい見方をしている。
■「女性問題を裁判に持ち込んでしまったら、笑えなくなる」
「よく(ビート)たけしがこう言っていました。(自分にとって)まずいことを書かれたら、『笑って吹っ飛ばせ』、女性問題を書かれたら、『やりました。ゴメン!』と。芸人がムキになったらアカン。裁判にまで持ち込んでしまったらさすがに笑えませんよ」
昔の芸人との遊び方の違いも指摘する。
「今は時代が変わって、芸人も品行方正さを求められるようになった。昔も女性遊びをしていた芸人はたくさんいましたが、今みたいに携帯もネットもなかったから、人と人がつながることが簡単ではなかった。その中で女の子といい関係になるには、時間やお金、情熱をかけないとそういうことにはならない。カッコよく遊んでいる先輩ばかりでした」
早くも復帰が囁かれる松本に厳しい言葉を投げかける。
「松本のことを『天才、天才』と言う人がいるようですが、しゃべりだったら、明石家さんまや島田紳助にはかなわない。周りが松本のことを持ち上げすぎるんです。松本が受け入れてもらうには時間が必要でしょうね」
先輩の苦言は果たして松本に届くのか。
(本多圭/芸能ジャーナリスト)
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