藤川球児監督(44)率いる新生阪神。コーチングスタッフも一新された中、インタビュー企画「新コーチに聞く」では阪神・上本博紀打撃コーチ(38)が登場。意気込みを語った。
◇ ◇
−2軍から1軍に変わり、こうやって指導していきたいというのは。
「そこに関してはあまり決め込まずに、選手も生き物なので、毎日いろいろなことが変化していくと思うので。その時に一番いい方法で毎日毎日、その時その時で探していきたいと思います」
−選手のやりたいことを探しながらアプローチするイメージか。
「それも選手によると思います。こうしろって言った方が良かったらそうするし。正解はないですけど、その時にいいと思ったことをやっていこうという感じです」
−タイガースアカデミー、女子野球、2軍の指導者を経て、経験値は上がったと感じるか。
「自分じゃちょっと分からないですね。その時その時でやってきているので。周りから見てどう思うかはあると思うんですけど。自分としてはどう評価されているか分からないですけど」
−藤川監督から求められているものは。何か声をかけられたか。
「もう思い切ってやってくれって。何かあったらオレが表に立ってやるからっていうことは言ってくださったので。そこは印象に残っています。選手のために、チームが強くなるためにと思ってやっていくだけですね」
−藤川監督の下で1軍コーチができる喜びは。
「誰がっていうところで変えるのもおかしいと思うし、目の前の仕事を一生懸命やるだけです」
−藤川監督の印象は。
「本当にずっとコミュニケーション取ってくださるので、自分もそこは甘えすぎないようにちゃんとやることをやらないといけないです」
−上本コーチ自身もコミュニケーションは大事にしているか。
「そこも人とか状況によると思うんで。取った方がいい時は取るし、取らない方がいい時は取らないしっていうので」
−小谷野コーチとよく話している。考え方はどう映るか。
「ちょっと言葉じゃ難しいですけど、とにかくどんな形でもいいんで、足並みそろえて一緒の方向を向いてやっていくだけです」
−ファームを1年間見て、楽しみな選手は。
「誰というのはなくて、1年間接した選手は多いので、性格的なこととかは何となく分かると思うので、その辺も生かしていきたいと思います」
−キャンプの中でスイングの質の変化は感じているか。
「毎日見ていると分からないですね。たまに見ると分かるんでしょうけど、今のところはそういう変化はまだ。地道な積み重ねだと思う」
−打線の底上げという意味でも地力をつけていってほしいか。
「そういう人が多ければ多いほどいいと思う。全員良くなるように、ただそれだけです」
−コーチの理想像は。
「マスコミが大変なんで、そこでフラストレーションをためないように、守ってあげるのも仕事だと思います。はっきり言って」
−上本コーチも現役の時に大変だったのか。
「大変ですね。阪神は特に大変だと思うので、そういうところは守ってやりたいなと思います」
◆上本 博紀(うえもと・ひろき)1986年7月4日生まれ、38歳。広島県出身。現役時代は右投げ右打ちの内野手。広陵から早大を経て、2008年度ドラフト3位で阪神入団。プロ2年目の10年7月8日・ヤクルト戦(甲子園)で初出場。14〜15・17年の3度、規定打席到達。20年の引退後は、タイガースアカデミーのコーチ、監督。23年は阪神タイガースWomenの監督として第19回全日本女子硬式野球選手権大会制覇。24年は2軍野手コーチ。