今年最後のG1、競輪祭が19日、小倉で開幕する。ここまでの5つのG1決勝を振り返ると、全てラインの番手または3番手の選手が優勝した。決勝で何人の仲間と戦えるのか。ラインの厚みが重要なことが分かる。
また、今回は中野慎詞、太田海也らナショナル組も参戦。五輪からぶっつけだった平塚オールスターとは違い、今年初めてベストコンディションで挑むだけに真のチーム力が試される。そこで地区ごとの「チーム力」をまとめてみた。
表を見てほしい。まず人数。当然、数は力だ。予選からラインに厚みがあれば勝ち上がりやすい。トップは北日本の20人。新山響平、佐藤慎太郎のS班を筆頭に中野、小原佑太のナショナル機動型もそろい、強力な布陣だ。
次いで地元の九州。S班こそいないが、世界選手権ケイリン金メダルの山崎賢人や、毎年当大会を盛り上げる北津留翼、園田匠の小倉コンビ。数の力で何とか地元地区のG1を盛り上げたいところだ。
次に直近4カ月の平均競走得点。トップは近畿。120点越えの最強・古性優作と最速・脇本雄太のS班2人を中心に唯一112点台をマークした。2、3位は南関、関東。郡司浩平、北井佑季。真杉匠、平原康多。ともに今年のG1ウィナー2人に次ぐ、第3の男をグランプリに送り込めるか。質で勝負する戦いとなる。
今年ラストでグランプリ直前だからこそ交錯する、さまざまな思い。競輪の醍醐味でもあるラインの力を借りて、優勝するのは果たして誰なのか。今から楽しみでならない。(渡辺 雄人)
◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の29歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。22年は中央競馬との二刀流に挑戦。23年から再び競輪1本に。愛犬の名前は「ジャン」。個人的に競輪祭は20代が3連覇していることと、真杉との連係がかなった時に「チーム力」に恵まれそうな吉田拓矢(29=茨城・107期)に注目。