[画像] 【マイルCS】「ディフェンディングチャンピオンとして負けられないという気持ち」昨年の覇者が抜群の手応えで跳ぶように加速

◆マイルCS追い切り(11月13日、栗東トレセン)

 第41回マイルCS・G1(17日、京都)で「考察」担当の山本理貴記者は栗東・坂路を軽快に駆けたナミュールに注目した。

 競馬記者になって、追い切りで特に注目しているのは、しまいの伸びだ。外から末脚を伸ばして突き抜けてくる馬に魅力を感じる。その姿が調教の動きからイメージできるかを、予想における一つの大きな判断基準としている。

 昨年の覇者ナミュールが1週前に見せた圧倒的な瞬発力に衝撃を受けた。栗東・坂路を単走で56秒1―12秒1。軽やかなフットワークで入り、ラスト1ハロンで追い出されると、瞬時にギアを上げた。四肢を伸ばし、跳ぶように加速。抜群の手応え、追えば追うほど伸びそうなしまいの脚を見て、レース本番の直線で弾けるように追い込んでくる姿が浮かんだ。厩舎のスタイルで速い全体時計は出さないが、高野調教師は「想像通り良くなっているなという手応えを感じた」と好感触だった。

 この日の最終追い切りは同コースを単走で56秒6―12秒0。トレーナーが「想定通りきていると思ったので、攻め込まずに。残り1ハロン、そこだけ全身を少し使う区間があれば、十分に力を発揮できるという判断」と言うように軽めの調整だったが、仕上がりは万全だ。

 昨年は4角15番手から、1頭次元の違うストライドで瞬く間に先頭との差を詰め、鮮やかな外差しV。エリザベス女王杯のスタニングローズに続く2週連続G1制覇へ「ディフェンディングチャンピオンとして負けられないという気持ち」と高野師。今年はどんな決め手を見せてくれるのか、楽しみで仕方がない。(山本 理貴)