今オフ、ポスティングシステムによるメジャー挑戦が正式決定した佐々木朗希(23=ロッテ)。
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「耐久性が最大の懸念材料」と複数の米メディアは報じているものの、体力面の不安は、使い方やトレーニング次第で何とかなるかもしれない。それより「問題なのは投げては休むメンタル」という指摘がある。
佐々木はここまで5年間、一度も規定投球回に達したことがない。2022年に20試合、計129回3分の1に投げたのが最多で、毎年のように戦列を離れている。
といって、大きな故障をしたわけではない。ロッテOBによれば「ケガにつながると思った時点で、自らブレーキを踏んでいる」からだそうだ。
ア・リーグのスカウトは「危機管理能力にたけているわけで、むしろ彼の長所。佐々木はまだ成長途上の選手。体力面の問題は26、27歳になればクリアできるのでは」と好意的だが、それも程度問題ではないか。
何しろ大船渡高3年夏の岩手大会では、甲子園まであと1勝という決勝戦を欠場。それも自らの意思といわれる。
結果として日本で最後のシーズンとなった今季も「右腕のコンディショニング不良」で2度、戦列を離れた。前出のOBが言う。
「ヒドかったのは昨年です。7月下旬に脇腹を痛めて離脱。9月10日の復帰登板も含めて3イニングずつ2試合に投げたが、3試合目に発熱のためドタキャン。熱は下がったのに、当初、CSには投げようとしなかったというのです。首脳陣に背中を押されて、ようやくファーストステージ第1戦に先発、3イニングだけ投げたといいます。昨年、ロッテはレギュラーシーズン2位。チーム全体がファイナルステージや、日本シリーズを目指しているときに、佐々木だけ別の方向を向いていると感じた選手は1人や2人じゃなかったと聞きました」
例えば、佐々木争奪戦で本命視されるドジャースのワールドシリーズ制覇は、主力選手たちが勝利のために目の色を変えた結果だった。
大谷翔平(30)はワールドシリーズ第2戦で左肩を脱臼。オフに手術をしたほどの重傷だったにもかかわらず、第3戦が行われるニューヨークへ向かうナインに、「大丈夫。プレーできる」とメールしてチームの士気を鼓舞。実際、第3戦以降も、痛み止めの注射を打ちながらプレーし続けた。
ファンや選手が共感するのは自己犠牲の精神
第1戦で逆転サヨナラ満塁本塁打を放つなどシリーズタイ記録の12打点をマーク、シリーズのMVPを獲得したフリーマン(35)は右足首痛に加えて肋骨を骨折しながらの活躍だったことが後日、判明した。しかも、通常であれば数カ月離脱するくらいの重傷だったという。
米紙コラムニストのビリー・デービス氏は以前、本紙でこう言っている。
「米国のファンやメディアはもちろん、メジャーリーガーが共感するのは自己犠牲の精神を持った選手です。チームの勝利のため、チームの窮地だからこそ、多少、無理をしても腕を振る。同僚が故障すると、オレが投げると中3日で登板したロジャー・クレメンスしかり、ワールドシリーズで1、4、7戦に先発したり、はいていたソックスを血で染めながらチームを世界一に導いたカート・シリングしかり。自分の体を酷使してもチームのために目の色を変える精神の持ち主だからこそ、同僚も支持する。この投手のためにも何とか点を取ろうという気にもなるのです」
少なくともこれまでの佐々木のスタンスを見る限り、「自分の体を酷使してもチームのために目の色を変える精神の持ち主」のようには思えない。
ポスティングが決まった直後、本人は球団を通じて、
「マイナー契約から這い上がって世界一の選手になれるよう頑張ります」
とコメントしたが、体力面の不安はトレーニングや起用法などによって解消される可能性はあっても、メンタルまで変わるのかどうか。
その精神、考え方が米国のファンやメディアはもちろん、メジャーリーガーたちに受け入れられるか、心配にもなってくるのだ。
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佐々木朗希は昨オフ、母親と一緒になって「メジャーに行かせてくれ!」と泥沼交渉劇を繰り広げたのは記憶に新しい。そもそもなぜ、「母親」が首を突っ込んでいたのか。母親の正体と、当時の全内幕とは。
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