[画像] 子を残しタワマンを出て行った〈40歳の不倫妻〉だったが…別居中に〈43歳のサレ夫〉急死もしれっと喪主を務め「遺産相続」もしっかり主張。あまりの非常識に〈夫の姉〉ブチギレ

夫婦の本当の関係は、本人たちにしかわかりません。「なぜ結婚したんだろう」「なぜ離婚しないんだろう」と、周囲が首を傾げる夫婦も。そんなふたりに「相続」が発生すると、実に面倒なことになるようです。

タワマンに住む幸せ家族だったが…妻、突然家を出る

傍から見たら、夫婦なんて本当のところわかりません。

――あんなに仲よさそうに見えたのに

そんなふたりが別れを選ぶこともしばしば。

中山太一さん(仮名・43歳)香苗さん(仮名・40歳)夫婦も、まわりからみたら「いい夫婦」でしたが、あるとき状況が一変した一組。

太一さんは一流大学卒→大手商社就職という、絵に描いたようなエリートコースを歩んできました。ただその性格は真面目で交流関係も派手なところは一切なく、どちらかといえば内向き。クラスの隅っこで常に教科書を開いて勉強をしているようなタイプです。一方で香苗さんは、太一さんの真逆。交流関係は派手で、常に多くの友人に囲まれています。文化祭や体育祭でクラスの中心になって活躍するようなタイプです。

結婚生活は、実のところ、夫婦しかわからないことかもしれません。太一さん・香苗さん夫婦の場合もそう。太一さんは真面目を絵に描いたような性格で、あまり交流関係は広くなく、どちらかといえば内向き。クラスの隅っこで数人の友人だけで固まっているようなタイプです。一方、香苗さんはその逆。社交的で交友関係は広く、どちらかといえば派手好き。常にクラスの中心にいるようなタイプです。

そんなふたりは、いわゆる合コンで出会いました。太一さんは数合わせでの参加で、それは参加者全員がわかるような雰囲気だったといいます。しかし、絶対にありえないと思えるふたりが結婚に至ったわけですから、周囲は大いに驚いたとか。

――恋愛と結婚は別。結婚するなら真面目で堅実な人でないと幸せになれない。太一さんは100%理想の人よ

意外とこういう組み合わせがうまくいくんだろうな……と周囲の評価は一変。結婚後、香苗さんは仕事を辞めて専業主婦に。しばらくすると2人の子宝にも恵まれます。そして住まいは東京湾岸のタワマン。「理想の家族」がそこにありました。

ところが冒頭のように、夫婦の本当のところはわかりません。いや、中山さん夫婦の場合、妻・香苗さんの本心は、誰にもわからなかったのかもしれません。結婚10年を迎えようとしているとき、それは突然に起きたといいます。

――もう無理! 私、もうこんなに退屈な毎日、耐えられない!!

そう、言い残し、タワマンを出ていってしまったのです。しかも、ふたりの幼子を残して。

子を残し家を出た妻の厚かましさに、義姉、絶句

香苗さんが出ていった直後は、「子育てに精神的に追い詰められていた」とか「やはり専業主婦は向いていなかった」とか、周囲は噂話で持ち切りでしたが、話はすごく単純なこと。本当は香苗さん、不倫をしていて、荷物をまとめて出ていったという顛末。

ただ、人のことを悪くいわない太一さん。また子どもたちへの影響を考慮して、本当のことは誰にもいわなかったといいます。

――不倫をして出ていった母親の子ども、なんていわれたら、子どもたちが可哀そうですから

――それに僕が悪いんです。子育ても家事もすべて任せていたから

――息抜きが必要だったんです、彼女には

どこまでも妻のことを理解している姿勢を示す太一さんですが、香苗さん、その姿勢が一層イラついたといいます。

――普通、怒りません? 妻が不倫をしていて、子どもを置いて出て行ったんですよ。それなのに自分から離婚の「り」の字も出さないんです。結局、私のことや子どものことを思っているふりして、他人に興味がないんですよ、あの人

そんな評価も、夫婦ならではでしょうか。ふたりは話し合い、子どもを第一に考え、離婚は子どもたちが成人になるまで待つことになったといいます。そんなふたりに、怒りを覚える人がいました。太一さんの姉の裕子さんです。

――あんたはどこまでお人よしなのよ。子どもを置いて出て行った人となんて、とっとと別れちゃいなさいよ

説教をするも太一さんには響いていない様子。そんな太一さんに不幸が襲います。脳梗塞。一命は取り留めたものの、一時は本当に危険な状態だったといいます。そんな状況のなか、一度も病院に来ない香苗さんに裕子さんの怒りも頂点に達します。「あなた太一の妻でしょ!」と責め立てたものの、「私たち、もう離婚しているようなものですから」とガチャ切り。その態度に憤慨し、離婚するように再び進言しましたが、太一さんは「子どもたちが成人するまでは、僕にも責任があるから」と首を縦に振ることはなかったといいます。

3ヵ月後、退院はできましたが、麻痺が残る状態に。仕事復帰も果たしますが、以前のようにはいきません。さらに子どもたちの面倒もあります。そこで買って出たのが裕子さん。ときにタワマンに住み込みで、太一さんや子どもたちの世話をこなしました。「姉さんには、どんなに感謝をいっても足りないよ」と太一さん。しかし、その半年後、太一さんは脳梗塞を再発。今度は手遅れで、息を引きとりました。

問題はそのあと。太一さんの葬儀の喪主は香苗さんが務めました。面白くないのは、事のすべてを知っている姉の裕子さんです。弟が大変なときに顔を見せず、こんなときは何食わぬ顔して妻として振る舞っている……「神経がどれだけ図太いのか……」と半分、呆れかえったといいます。

さらに香苗さんの行動に唖然とします。遺品の整理や相続などあるからと、葬儀後すぐにタワマンに戻るといい出したのです。

――いまさら、何よ。子どもたちのこともほっぽりだしていたくせに。

――私、太一さんの妻ですし、母親ですし、当然の権利です。お義姉さんこそ、部外者なのに口を挟まないでください

あまりに厚かましく、あまりに非常識。怒りで震えが止まらない裕子さん。「もっとキツくいって、離婚させるべきだった」と後悔しかないといいます。

毒嫁の相続額を下げるには「遺言書の作成」が有効

相続が発生した際、遺言があればそれに則り、なければ法定相続人が話し合って分割方法を決めていきます。

民法で相続人となることができると定められた相続人が法定相続人であり、配偶者は必ず相続人となります。以降は優先順位があり、第1順位は亡くなった人の子。子がいなければ第2順位、亡くなった人の実親。第2順位も該当者がいなければ、第3順位である亡くなった人の兄弟姉妹へと移ります。

今回の事例では、妻とふたりの子どもが相続人となります。もし離婚していれば、元妻は相続人にはなれず、ふたりの子どもだけが相続人となります。ただ子どもたちは未成年のため、実質、実母の香苗さんが相続を受けたようなものです。どんなに頑張っても、相続では香苗さんの影響は避けられません。

たとえば、香苗さんへの相続額を減らし、太一さんの介護や子どもたちの面倒に尽力した裕子さんにも遺産を分けようとするなら、遺言書の作成が有効でした。作成の際に気を付けるべきは「遺留分」。これは遺言でも守られる最低限相続する権利で、法定相続分の半分が認められます。

たとえば今回、4,000万円の遺産があったとすると。2,000万円が妻・香苗さん、1,000万円ずつが子どもたちの相続分となります。その半分ですから、香苗さんは1,000万円、子どもたちは500万円まで遺留分として主張できます。逆をいえば、遺産総額4,000万円のうち、その半分は、妻・香苗さんの力が及ばないようにできることになります。

[参考資料]

法テラス『法定相続人とは何ですか。』

法テラス『法定相続分とは何ですか。』

法テラス『遺留分の相続財産に対する割合はどうなっていますか。』