[11.9 J1第36節 町田 3-0 FC東京 国立]
J1リーグは9日、第36節を各地で行い、3位のFC町田ゼルビアがFC東京を3-0で破った。町田は敗れれば優勝の可能性が消えるという中、直近5戦未勝利(2分3敗)の不調から脱却し、6試合ぶりの白星。10日に今節を残す首位・神戸との暫定勝ち点差を4に縮め、残り2試合での逆転優勝に望みをつないだ。
ホームの町田は奇跡の逆転優勝に向けて崖っぷちの国立決戦。システムを中盤逆三角形の3-5-2に変更し、MF相馬勇紀をインサイドハーフ、DF望月ヘンリー海輝を右ウイングバックで起用した。一方のFC東京は改修後の新国立で過去8勝1分という“無敗神話”を誇る中、DF土肥幹太が7試合ぶり、MF小泉慶が5試合ぶりに先発した。[スタメン&布陣]
45288人の大観衆が訪れた試合は立ち上がりから町田が優勢。FWオ・セフンへのロングフィードや望月の攻め上がりを活かしてFC東京を押し込み、セカンドボール回収でも優位に立った。前半10分、望月のクロスは相手に阻まれたが、波状攻撃からFWエリキのクロスやMF白崎凌兵のシュートがゴール前を強襲。同11分にはDF昌子源のロングフィードが右の望月に通り、切り返しからの左足シュートが左ポストをかすめた。
すると前半15分、町田が試合を動かした。GK谷晃生のロングフィードをオ・セフンが頭で落とし、エリキが背後に抜け出すと、DF木本恭生と対面しながら中を見つつ、冷静にパス。これに飛び込んだ白崎がワンタッチで押し込んだ。白崎はこれが町田加入後初ゴール。今夏加入の31歳が国立決戦で結果を出した。
一方のFC東京は前半21分、FWディエゴ・オリヴェイラのスルーパスにMF荒木遼太郎が抜け出し、ようやく最初のビッグチャンスを迎えたが、シュートはGK谷のスーパーセーブに阻まれる。また谷は同26分にもMF遠藤渓太のロングシュートをかすかに触って軌道を変え、クロスバーに逃れた。
町田は前半30分、DF林幸多郎の横パスを受けたエリキが右足で狙うも、こちらもFC東京のGK野澤大志ブランドンがスーパーセーブ。同35分位は相馬のシュートも野澤が防ぎ、23歳の谷、21歳の野澤と若き守護神が存在感を放っていた。そのまま前半は終了。町田の1点リードでハーフタイムを迎えた。
後半の立ち上がりも町田が主導権をキープ。すると後半4分、さっそくスコアを動かした。谷のロングキックは相手にクリアされたが、こぼれ球を望月が拾うと、深く押し込んだ攻撃から相馬がクロスを配球。ファーサイドで白崎が折り返し、ゴール前に詰めていたオ・セフンがダイレクトで押し込んだ。
町田は後半18分、猛烈な上下動を見せていた望月の足がつり、DF杉岡大暉を投入。なんとか攻勢に出たいFC東京は同29分、左サイドを突破した遠藤のクロスにFW安斎颯馬が飛び込むも、杉岡のスーパーブロックに阻まれた。
そうして迎えた後半34分、町田はスーパーゴールでリードを広げた。パワフルな攻撃で左CKを獲得し、相馬がキッカーを務めると、鋭く曲がりながら落ちたボールがゴール左上隅へ。懸命にコースを消そうとした野澤が反応したが、手を弾いたボールがゴールマウスに吸い込まれた。今夏名古屋から加入した相馬はこれが加入後初ゴールとなった。
終盤はFC東京も攻勢を試みたが、そのままタイムアップ。町田がJ2リーグ時代の昨季以降、新国立5試合目にして待望の初白星を飾り、優勝になんとか望みをつないだ。一方のFC東京は新国立10試合目で初黒星となった。
(取材・文 竹内達也)
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