【マリオ&ルイージRPG ブラザーシップ!】
11月7日 発売
価格: パッケージ版 7,128円(税込) ダウンロード版 7,100円(税込)
任天堂は、Nintendo Switch用RPG「マリオ&ルイージRPG ブラザーシップ!」を11月7日に発売する。価格はパッケージ版が7,128円、ダウンロード版が7,100円。
「マリオ&ルイージRPG」と言えば、2003年11月21日にゲームボーイアドバンスでシリーズ第1作目が発売され、その後もニンテンドーDS、ニンテンドー3DSと、任天堂の携帯ゲーム機において続編が展開されていった、マリオのRPG作品だ。マリオとルイージ、任天堂でお馴染みの兄弟がタッグで冒険に繰り出し、本来一人では越えられない障害を“ブラザーアクション”で乗り越えながら物語を進めていく「ブラザーアクションRPG」となっている。
リメイクを除くシリーズ最新作としては、ニンテンドー3DS向けに発売した「マリオ&ルイージRPG ペーパーマリオMIX」の発売から、約9年越しとなる最新作でもある。Nintendo Switchという、据え置きゲーム機と携帯ゲーム機両方の特性を併せ持つ現世代機向け相応に、グラフィックや演出部分などのビジュアル面も大きくパワーアップを遂げている。
今回は、そんなシリーズ最新作となる「マリオ&ルイージRPG ブラザーシップ!」をいち早くプレイしたので、実機プレイした上で得られた手触り感などをお届けしていく。
【マリオ&ルイージRPG ブラザーシップ! 紹介映像】海流に乗ってバラバラになったコネクタルランドを繋ぐ海と孤島の冒険劇
キノコ王国に突如として別世界に通じるワームホールが開き、未知の世界へ飛ばされてしまったマリオとルイージ。その世界は「コネクタルランド」と呼ばれ、かつてはひとつの大地だった。しかし、何者かによって大地を繋ぐコネクタルツリーが破壊され、コネクタルランドはバラバラになってしまったのだという。
新たなコネクタルツリーを育てている新米ソダテナーのコネッタと、その友だちタップーに出会ったマリオとルイージは、彼女たちと協力して元の世界へ帰るための手掛かりを探しつつも、漂流している島々をコネクタルツリーに繋ぎ直し、世界を元通りにするための冒険へと旅立つことになった……というのが話の大筋である。
本作はシリーズの続編にあたるタイトルで、中には過去作のキャラクターも登場している。もちろん、マリオとルイージの冒険は完全に新しいものと言えるので、過去シリーズをプレイしていなくても特に問題はないのだが、シリーズファンならばニヤリとできそうな要素だ。また、過去作ではクッパの体内や、夢の中が物語の舞台になっていたこともあった。今作ではマリオとルイージが「海」に繰り出し、大海原のあちこちで漂流している数々の孤島を巡る冒険が待っている。
平和そうなキノコ王国の日常が一転。マリオとルイージのみならず、ピーチ姫やクッパまで……?
物語のカギを握る少女・コネッタ
「コネクタルランド」は何者かの手によってバラバラに
タップーと協力して元の世界へ帰る手掛かりを探し出しながら散った島々を元通りにしていくことに
ゲームは、コネクタルツリーの植えられている「船島(ふねじま)」を活動拠点として物語が進んでいく。ここで今作の特徴となるところが、その船島が海流に沿って常に移動をし続けている点だ。マリオたちは海流に乗って、漂流している島々を探し出してから上陸していくため、船島が文字通り「船」のような役割を担う移動式拠点になっている。
海図を開き目的地を決めると、船島は進行ルートに沿って移動し始める。この移動時間はプレイヤーに寄り道を促す自由時間にもあたり、自然と遊び方を分岐させているようにも感じられた。例えば、レベル上げのためすでに冒険した島へ戻っても良いし、進めていないサブエピソードを進めても良い。装備アイテムの新調に加えて回復アイテムといった消耗品の買い足しなど、真っ当に冒険の準備しておくのもアリ。ときには次に向かうべき島に複数の選択肢が生まれ、どちらを先に攻略するかプレイヤー側に委ねるような場面もある。しかもその道中で本筋とは関係ない小さな孤島が見つかって、ここでも寄り道をしたくなる。
逆に手早くメインストーリーを読み進めたいプレイヤーであれば、後々解放される船島の高速移動でさっさと目的地を目指しても良い。船島が目的の島に近づいたら、望遠鏡でその島を直接発見し、備え付けの大砲によってマリオブラザーズは島へ上陸していく。島々では、住民たちを悩ますさまざまな事件と、個性豊かなキャラクターたちとの出会いが待ち受けているというワケだ。
船島は常に海流の流れに沿って移動し続けている。「海図」を開いて冒険の航路を決めていこう
目的の島へ近づいたら望遠鏡で島を探し出す。たまに見つかる小さな孤島へ寄り道するのもアリ
海流に乗って船島が移動している時間をどう活用するかはプレイヤー次第だ
準備が出来たら、船島の先端にある大砲から冒険に出発!
島に上陸したらマリオとルイージがやるべきことはとても明確。その島で繰り広げられる物語を読み進めながら、島の最奥にある「灯台」を目指していく。灯台には「コネクタルプラグ」と呼ばれるものが存在し、マリオたちはこのプラグを船島のコネクタルツリーと接続することによって、バラバラになった島を繋げている。
そのため、ある意味では島の灯台こそが“ゴール地点”のようなものとも言えるだろう。ここに到達する過程で島を騒がせている事件や問題を解決しつつ、マリオとルイージのコネクタルランド修復の旅は進む。島の中で完結するようなちょっとした事件と物語があれば、メインストーリーに深く関わる物語もある。コネクタルランドが何者かの手によってバラけてしまったという、陰謀の渦巻く大きな問題こそあれども、そこはやはりマリオとルイージの冒険譚だ。シリーズお馴染みのちょっと笑えるコミカルなギャグは健在で、作中の空気感もかなり明るい雰囲気になっている。
これぞマリオのRPG! コマンドバトルにプレイヤースキルが絡むタイミング入力の感触が心地良い
「スーパーマリオRPG」の時代から続く、コマンドバトルに追加のボタン入力操作でその効果が増幅する“アクションコマンド”の要素は、今作でも続投している。このシステムは、キャラクターの攻撃タイミングに合わせてボタン入力に成功すると、マリオとルイージの「コンビネーションアタック」が発生してダメージが上昇する仕組み。攻撃タイミングに合わせてボタンを押下すると、普段よりダメージ量が多いというのは、操作の感触としても大変気持ちが良いものだ。なお、今作ではゲーム内でアクションコマンドの名称が用いられていないのだが、本稿では便宜上そのように表記させていただければと思う。
ゲームを進めていけば、マリオとルイージは強力な連携攻撃「ブラザーアタック」が使用可能となる。ブラザーアタックは言わば“必殺技”のようなものであり、ここでも技ごとに異なるアクションコマンドを成功させていかなければならない。最初の方に解放されるブラザーアタックは比較的手軽にコマンドを成功させやすいが、後々解放されていくものの中にはある程度練習しておかないと失敗しやすい、シビアな入力タイミングのものもある。その分、成功したときに得られるバトルのリターンと達成感は大きく、プレイヤー目線で見れば「なんとかモノにしておきたい」といった存在感だ。
バトルシステムはコマンドブロックを選択して戦うターン制のRPG
攻撃タイミングに合わせてボタンを押すと、「コンビネーションアタック」が発生する
こちらはハンマーによるコンビネーションアタック
「ブラザーアタック」はマリオとルイージで発動できるものが異なっている
アクションコマンドの入力タイミングがシビアなものほど強力だ
ヨッシーが登場するブラザーアタックも……!?
入力難度が高いブラザーアタックほど強力なのは言うまでもなく、やはり強敵相手やボスバトルでの主なダメージソースとして期待されるところだろう。しかしながらボスバトルに関して言えば、新要素「ルイージセンス」がもたらす、その戦闘限りの攻撃チャンスだって見逃せないものがある。
ルイージはボスとのバトル中、フィールドの地形やギミックを活かしたアイディアを閃く。その際、ルイージのターンが回ってきた時点でコマンドにルイージセンスが出現し、そこで要求されたアクションコマンドを成功させることで、ボスに大ダメージを与える大きなチャンスを生み出せるのだ。気絶しているボスに対し、強力なブラザーアタックを連続で叩き込む瞬間こそ、ボスバトルにおいてとても胸がすく瞬間になる。
ボスバトルでルイージが閃く新要素「ルイージセンス」。後述するが、フィールド探索でも力を発揮する
ルイージセンスのコマンド入力を成功させると、ボスは気絶して大ダメージを狙うチャンスが到来!
隙だらけのボスに連続でブラザーアタックを叩き込み、一気呵成で体力を削っていくのが楽しい
また、アクションコマンドは敵から攻撃を受ける際にも作用するシステム。突進してくる敵をジャンプで飛び越え回避したり、投擲されたアイテムをハンマーで打ち返してカウンターしたりと、プレイヤースキル次第でコマンドバトルの戦局を有利な方向に働きかけられる。この攻防一体の要素を上手く使いこなすことができれば、敵からの攻撃を全く受けずにバトルに勝利できてしまうのが本シリーズの面白いところだ。
このように書くと、中には簡単そうに感じる人もいそうだが、敵の種類ごとに攻撃パターンは異なる上、1体の敵が複数の攻撃パターンを持っているなんてケースもそう珍しくはない。場合によってはタイミングをほんの少しずらす、イヤらしい動きまであるから、上手く避けきれないことも多い。とはいえ、同じ敵と幾度も戦っていれば、行動パターンが自然と染み付いてくる塩梅加減なので慣らすことはできる。ターン制のコマンドバトルなのに、“アクションゲーム”のようにプレイヤーが練達を実感する不思議なRPG作品である。
そしてバトルで気に掛ける要素はほかにもある。今作は「マリオ&ルイージRPG」の名前通り、マリオとルイージの二人旅が基本だ。それゆえ、従来のRPG作品のように、ゲームを進めれば次第に戦闘に参加する仲間が増えてくるといったこともない。仮に仲間が増えた場合、むしろここで紹介しているアクションコマンドによる駆け引きは、その難易度が大きく上がってしまう懸念点が考えられそうだ。
というのは、基本的に「マリオ&ルイージRPG」シリーズは、フィールド探索でもバトルでも、マリオのアクションは「Aボタン」、ルイージは「Bボタン」といった具合に操作ボタンが個別に分けられている。さらにバトル中は、敵の攻撃に対してどのタイミングでボタンを押下するかという以前に、そもそもその敵がマリオに対して攻撃するのか、あるいはルイージに対して攻撃するのか、はたまたその両方に対して攻撃してくるのかといった、“被攻撃対象の見極め”も駆け引きの大きなポイントなのだ。そういった操作の仕様と敵の動きを見極める要素を考慮すれば、パーティメンバーがマリオとルイージだけというのは、プレイヤー側のキャパシティを考えると妥当なラインに考えられる。
ただ、そもそもこうしたタイミングアクションのような類を苦手とするプレイヤーも少なくはない。敵からの攻撃を上手く避け切る自信がない場合や、初見の攻撃に対しては「きんきゅうガード」によってダメージを軽減することも可能。多少ダメージを負っても、直撃を避けられるようになっているのが、救済措置のような優しさを感じるところだ。それでも自らリスクを選び、初見の攻撃にジャンプやハンマーといったリアクションを返したくなる刹那的ギャンブル性が、もはや本シリーズの醍醐味とすら思えてくる。たとえ失敗してもリカバーが効くバトルバランスなので、筆者としては恐れず、ぜひ回避行動に挑戦してほしいと感じている。
ルイージだけを攻撃……かと思えば、そのままマリオにも攻撃してくる敵も
攫ったキャラクターを投擲して攻撃する敵もいる。避けないと二人ともダメージをもらってしまう
ボスバトルも気を抜けない。どちらが攻撃ターゲットにされているのか見極めよう
「バトルプラグ」の組み合わせが多彩な戦術を生み出す!
今作ではバトルの新要素として「バトルプラグ」といったシステムが加わった。バトルプラグはバトル中に特定の条件を満たした際、装着したバトルプラグの効果を発揮できるというもの。例えば、マリオかルイージがジャンプかハンマーによる攻撃を行ない、アクションコマンドに成功したとしよう。
バトルプラグ「どっかんアタック」を装着していれば、衝撃波を巻き起こして敵一体への攻撃が複数体の範囲攻撃に強化される。バトルプラグ「ついでにテッキュウ」を装着していたならば、アクションコマンド成功時、敵の頭上から鉄球が降り注いで追加ダメージを与えられる。こうした攻撃系の効果以外にも、自動で回復アイテムを使用するもの、カウンターやジャンプの回避が格段に成功しやすくなるサポート系のバトルプラグも存在する。
バトルプラグはフィールド探索中のメニュー画面か、バトルで自身のターン中に「プラグセット」のコマンドブロックからも装着可能。また、特定のバトルプラグ同士を装着すると、より強力な効果に変化するといった組み合わせ要素も戦略性に寄与しているポイントだ。強敵相手には自分が知る限りで攻撃に特化した組み合わせで挑んでみたり、逆に防御方面で効果を発揮するセットで挑んでみたりと、その使い方は多種多様だ。
物語を進めていくと「バトルプラグ」がコマンドブロックに出現するようになる
バトルプラグ「どっかんアタック」で隣の敵にもダメージ!
一部の敵はハンマーアタックのダメージが通らなかったり、ジャンプアタックで逆にマリオとルイージがダメージを受けてしまう敵もいる。こうした場合、攻撃方法を切り替えて対処するのが基本的なセオリーになるわけだが、バトルプラグでより効果的にダメージを与えつつ、さっさと倒してしまうやり方もある。飛んでいる敵にジャンプアタックを繰り出すと、必ずクリティカルが発生する「ひこうバスター」、トゲを持つ敵に対してハンマーアタックが同様にクリティカルになる「とげバスター」などだ。
ときには“ジャンプしか通用しない敵”と“ハンマーしか通用しない敵”の混成パーティが出現する場合も。そういった際には先ほど紹介した「どっかんアタック」と「ついでにテッキュウ」を組み合わせれば、効果の起点になった敵一体を中心に衝撃波を発生させ、地上・空中の双方にいる敵へ範囲ダメージを与えつつ、さらにそれらの敵に追加で鉄球ダメージも与えられる。複数の敵をただ効率良く削れるだけではなく、バトルプラグの組み合わせで生まれる相乗効果そのものが、汎用性の高い攻撃手段になり得るということだ。
ただし、ここまで紹介してきて察せられるように、バトルプラグは効果が強力な分、使用回数の制限が決まっている。一度使い切るとしばらくの間は同じものは装着できなくなるので、「ボスバトル前に多用し過ぎて使いたいとき使えない」なんてことが起きないよう、使い方とリソース管理には注意が必要だ。バトルプラグの色んな組み合わせ方を試すことで、バトル自体の体験を自分なりに快適なものにしていけることだろう。
あらゆる障害もなんのその! ユニークな「ブラザーアクション」とルイージの可能性が光る「ルイージセンス」
フィールド探索においてはマリオだけで突破できない場所や、特定の技を覚えないと進めない通路があったりする。そこで登場するのが、シリーズにとって代名詞でもある「ブラザーアクション」だ。マリオとルイージが二人で協力することにより、本来一人では到達できない場所も容易に乗り越えることができる。マリオとルイージがUFOの姿になって一定時間滞空できるものや、ボール状に変化して小さな通路の中を移動できるものなど、もはや人間とは思えないメタモルフォーゼかなにかだが、マリオブラザーズの可能性を感じさせてくれる。
ゲーム序盤に訪れた島でも、新たに習得したブラザーアクションで進める箇所があり、探索範囲はどんどん広がっていく。島のバリエーションや数は豊富なので、ときには戻って探索し直してみると、新たな発見があるかもしれない。
ブラザーアクション「UFOスピン」は、少し離れた場所へ飛んで行ける
ブラザーアクション「ブラザーボール」。ここまで来るとマリオとルイージの面影は感じられない
前項でも触れたが、今作は冒険中にルイージが閃く「ルイージセンス」という要素が登場している。メインストーリー中でも、島を探索中に見つけた仕掛けの前でも、ルイージの閃きが活路を見出すわけだ。物語ではマリオとルイージにとって、やや都合の悪いことが起きたとしても、メタで力業と言えなくもないオキテ破り気味なルイージの閃きに思わず笑ってしまう。中々奇抜なセンスの発想だが、そんなルイージの思い付きは、物語でもボスバトルでも大いに役立ってくれる。
探索中にルイージセンスを発揮できそうな場面では、ルイージから光が発せられ、最寄りのオブジェクトを気にしているような姿が見られる。ここで「Lボタン」を押すと、ルイージがそのオブジェクトに対して何らかのアクションを起こす。木箱であればハンマーで破壊してくれるし、地面に埋まったものであれば掘り起こしてくれる。持ち上げられる物ならば、軽々と持ち上げて、そのままマリオに追従してくれる。島の探索ではルイージセンスとブラザーアクションを併用して、さまざまな仕掛けを解き明かしながら灯台を目指す。バトルとは別にこういった探索のスタイルも、どこかマリオシリーズらしいというか、アクションアドベンチャー的な要素が色濃く感じられる部分だろう。
物語中で「ルイージセンス」が閃く場面。閉ざされた扉をどのように開くのかと思いきや……
迫真の表情で扉の隙間から強引に突破を試みるルイージ。これがルイージの考え抜いた扉の攻略法である
謎解きギミックなどはルイージセンスを駆使していくものが多い
一風変わったフィールドギミックも。島ごとに色々な仕掛けが用意されている
島ごとに区切り良く楽しめて遊びやすいRPG作品に
「マリオ&ルイージRPG ブラザーシップ!」は、現世代機のマシンスペックで描かれるシリーズ最新作に相応しいタイトルだ。過去作から踏襲し続けているアクションコマンドの要素やブラザーアクション、ユーモアを随所に散りばめた勧善懲悪テイストなストーリー展開など、プレイ中は時間を忘れて島々で巻き起こるマリオたちの冒険に釘付けになっている自分がいた。
大海原を巡りながら島を探し出す海上の冒険は、世界観の広がりを感じられて面白い試みというほかない。何よりプレイヤー目線で嬉しいのが、そうした島ごとにエピソードのまとまりがあって区切りが良いという点。このエピソードのまとまり方は、メインストーリーのみならず、寄り道要素のサブエピソードでも同じことが言える。「今日はこの島だけ攻略しよう」、「この2つのサブエピソードだけ進めておこう」そんなふうに、プレイヤー側の裁量が働きやすいコンパクトなシナリオ構成を、まるで数珠繋ぎにしているかのようだった。
それでは本筋にあたるメインストーリーの成分が薄いのかと問われれば、決してそんなことはない。島々で展開する一つひとつのエピソードは、メインストーリーという大前提があってこそ描かれるものになっている。海図から目的地を探し出したり、攻略済みの島に戻ってみたりと、フリースタイルな体験はありつつも、次の島でマリオとルイージを待つ冒険は常に興味深く、先行きの気になる展開が続いていく。シリーズの伝統要素と、新しい冒険の世界がもたらす島巡りの要素を掛け合わせることで、懐かしさと新鮮さを同時に提供できていると感じられた。今作から遊ぶプレイヤーにも、シリーズファンにとっても、十分な満足感を与えてくれる一作品だと言えるだろう。
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