[画像] トランプ氏が当選確実 米大統領に4年ぶり復帰「米国第一」路線へ

 米大統領選は5日に投開票され、共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)が当選を確実にした。AP通信が報じた。初の女性大統領を目指した民主党のカマラ・ハリス副大統領(60)は及ばなかった。4年ぶりにトランプ氏が大統領に復帰し、「米国第一」路線への揺り戻しが起きる。世界も大きな変化への対応を迫られる。

【写真】「勝利宣言」したトランプ氏がカメラを指さす

 トランプ氏は6日午前2時半ごろ、フロリダ州ウェストパームビーチで支持者らを前に演説し、「我が国が目にしたことのないような政治的勝利だ」と宣言した。

 大統領選は5日夜(日本時間6日午前)に各州で投票が締め切られ、開票が進められた。事前の世論調査では互角の展開で、近年まれにみる大接戦だと報じられていた。

 選挙結果は、各州での勝敗に応じて獲得した選挙人の数で決まる。トランプ氏は激戦7州のうちノースカロライナ、ジョージア州に加えて、最重要視されていたペンシルベニア州でも勝利を確実にした。全538人の選挙人のうち、トランプ氏は過半数(270人以上)を獲得することが確実な情勢となった。

 トランプ氏は「経済」と「移民」の2大政策を軸に選挙戦を進めてきた。バイデン政権下でインフレ(物価高)が進み、不法移民の急増によって国内の治安が悪化したと訴えることで、日々の生活に不満を抱く有権者からの支持を広げた。

 2022年11月に大統領選への立候補を正式表明して以降、トランプ氏は四つの刑事事件で起訴され、暗殺未遂事件にも遭う異例の展開をたどった。だがトランプ氏は、そうした「逆境」をはね返す姿をアピールすることで、むしろ支持者の結束を強めてきた。

 一方のハリス氏は、24年7月に撤退したバイデン大統領(81)に代わって急きょ立候補することになった。直後には支持を急拡大する勢いをみせたが、次第に失速した。人工妊娠中絶の権利を守るとの主張を軸に据えたが、初当選には届かなかった。