「なるほど。では、ニーズが満たされるはずのパートナーが喜んでいないのは、どうしてだと思いますか?」と僕は聞いてみました。
「え?あ、確かに。うーん……」Aさんは沈黙してしまいました。
僕は質問を変えてみました。
「では、この時のAさんのニーズは何でしたか?」
するとAさんは「それはやっぱり『パートナーを喜ばせたい』ですね。あと、『お得なこの機会を逃したくない』という気持ちもあったと思います」とすぐに答えてくれました。
そこで、重ねて聞いてみました。
「では今回、乗り換えキャンペーンの手続きでAさんが満たそうとしていたのは、誰の、どんなニーズですか? せっかくパートナーのためを思ってやっているのに、パートナーがさっさと喜ばなくてがっかりしたり、イライラしたりしていませんでしたか?『俺がお得って言ってるんだから、あれこれ確認しなくてもお得なんだよ』みたいな」
Aさんは、ハッとした様子で答えてくれました。
「あ……パートナーのニーズではなく、自分のニーズを満たすための行動になってしまっていますね……。しかも、『パートナーを喜ばせたい』ではなく、『パートナーから認められたい』にすり替わっています」
今回も、以前の記事に書いたケースと同様に、Aさんの行動の目的は残念ながら「パートナーに喜んでもらうこと」から、「パートナーから自分が認められること」になってしまっていました。もっと言えば「(自分の勝手な)計画を達成すること」へと、いつの間にかすり変わってしまっています。
◆Aさんはどうしたら良かったのか?
Aさんは、目先のキャンペーンのお得さにつられて、「これならきっとパートナーも喜んでくれるはず」と早合点してしまい、パートナーへの確認・相談をしないまま、独りよがりに行動を始めてしまいました。今回の件は、そのことに端を発していると考えられます。
また、手続きにかかる時間や、パートナーの反応など、自分の想定外・予想外の事態に対して、自分の至らなさや相手のニーズを読み間違えてしまった事実を認め学び直すどころか、「悪い/間違っているのは、自分ではなく相手だ」「喜ぶと思ってしてやったのに」と自分勝手に決めつけ、押し付け、そして、相手を自分の思い通りに支配・コントロールしようとしてしまっています。
その結果、Aさんは、パートナーから「子どもをケアする余裕を奪う」という重大な加害も行ってしまいました。
では、Aさんはどうしたら良かったのでしょうか?
今回のケースの場合、大きく2つの分岐点があったと考えられます。
一つ目は、行動に移す前の時点です。Aさんは、このキャンペーンについて、パートナーに具体的な情報や自分自身のニーズを共有するとともに、現時点でのパートナーのニーズを確認することができました。
・ スマホのお得な乗り換えキャンペーンを見つけたんだ。【事実】
・ 以前から、『バッテリーの持ちが悪い』『機種変更したい』って、よくぼやいていたし、子どもにも、進学に伴い、新たにスマホを持たせたいって話をしていたよね。【前提共有】
・ もし良ければ、せっかくの機会に手続きをしたいと考えているんだけど、どうかな? 【依頼・提案】
この段階で、パートナーから「明日も仕事だから、今日は行きたくない」と言われた時に、「そうだったのか。気づいていなくてごめんね」等、相手の今のニーズを尊重する言葉を言えたなら、Aさんは、本当の意味で、Aさんのパートナーを喜ばせることができたかもしれません。
二つ目は、行動に移した後の時点です。経済的なメリットを優先する等、互いに合意の上で手続きに行くとした場合でも、予想以上に手続きに時間がかかってしまった際に、自分を正当化したり、相手のせいにしたりせずに、
「え?あ、確かに。うーん……」Aさんは沈黙してしまいました。
僕は質問を変えてみました。
「では、この時のAさんのニーズは何でしたか?」
するとAさんは「それはやっぱり『パートナーを喜ばせたい』ですね。あと、『お得なこの機会を逃したくない』という気持ちもあったと思います」とすぐに答えてくれました。
そこで、重ねて聞いてみました。
「では今回、乗り換えキャンペーンの手続きでAさんが満たそうとしていたのは、誰の、どんなニーズですか? せっかくパートナーのためを思ってやっているのに、パートナーがさっさと喜ばなくてがっかりしたり、イライラしたりしていませんでしたか?『俺がお得って言ってるんだから、あれこれ確認しなくてもお得なんだよ』みたいな」
Aさんは、ハッとした様子で答えてくれました。
「あ……パートナーのニーズではなく、自分のニーズを満たすための行動になってしまっていますね……。しかも、『パートナーを喜ばせたい』ではなく、『パートナーから認められたい』にすり替わっています」
今回も、以前の記事に書いたケースと同様に、Aさんの行動の目的は残念ながら「パートナーに喜んでもらうこと」から、「パートナーから自分が認められること」になってしまっていました。もっと言えば「(自分の勝手な)計画を達成すること」へと、いつの間にかすり変わってしまっています。
◆Aさんはどうしたら良かったのか?
Aさんは、目先のキャンペーンのお得さにつられて、「これならきっとパートナーも喜んでくれるはず」と早合点してしまい、パートナーへの確認・相談をしないまま、独りよがりに行動を始めてしまいました。今回の件は、そのことに端を発していると考えられます。
また、手続きにかかる時間や、パートナーの反応など、自分の想定外・予想外の事態に対して、自分の至らなさや相手のニーズを読み間違えてしまった事実を認め学び直すどころか、「悪い/間違っているのは、自分ではなく相手だ」「喜ぶと思ってしてやったのに」と自分勝手に決めつけ、押し付け、そして、相手を自分の思い通りに支配・コントロールしようとしてしまっています。
その結果、Aさんは、パートナーから「子どもをケアする余裕を奪う」という重大な加害も行ってしまいました。
では、Aさんはどうしたら良かったのでしょうか?
今回のケースの場合、大きく2つの分岐点があったと考えられます。
一つ目は、行動に移す前の時点です。Aさんは、このキャンペーンについて、パートナーに具体的な情報や自分自身のニーズを共有するとともに、現時点でのパートナーのニーズを確認することができました。
・ スマホのお得な乗り換えキャンペーンを見つけたんだ。【事実】
・ 以前から、『バッテリーの持ちが悪い』『機種変更したい』って、よくぼやいていたし、子どもにも、進学に伴い、新たにスマホを持たせたいって話をしていたよね。【前提共有】
・ もし良ければ、せっかくの機会に手続きをしたいと考えているんだけど、どうかな? 【依頼・提案】
この段階で、パートナーから「明日も仕事だから、今日は行きたくない」と言われた時に、「そうだったのか。気づいていなくてごめんね」等、相手の今のニーズを尊重する言葉を言えたなら、Aさんは、本当の意味で、Aさんのパートナーを喜ばせることができたかもしれません。
二つ目は、行動に移した後の時点です。経済的なメリットを優先する等、互いに合意の上で手続きに行くとした場合でも、予想以上に手続きに時間がかかってしまった際に、自分を正当化したり、相手のせいにしたりせずに、
外部リンク日刊SPA!